内容説明
1800年代前半、ロッシーニ、ベッリーニらとほぼ同時代に活躍、イタリア・オペラ界を席巻したドニゼッティの代表作のひとつ。台本はヴェルディの作品にも多くを提供したフェリーチェ・ロマーニの手によるもの。物語は、好きになった女性に何とか自分へ興味を持ってもらうために「惚れ薬」(実はボルドー・ワイン)をだまされたとも知らずに譲り受けて飲み、さまざまな展開を経て思いが成就するというもの。冒頭に中欧中世の伝説『トリスタンとイゾルデ』の話が語られ、そういう薬があったらと主人公が期待するところから始まる。訳者は日本を代表するイタリア語研究者であり、オペラにも造詣が深い。翻訳本文の正確さ、徹底した詳細な註は、これまでの対訳本を一新する決定版ともいえる内容となっている。これまでどおり欧文と日本語翻訳文が同時に目に入るよう工夫されたレイアウトも大きな特徴である。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
量甘
7
友人から誘われて観たオペラが素晴らしかったので、詳しい内容が知りたくて手にとりました。内容がよく分かり「いかさま薬売り」の話を再び楽しめました。オペラの世界に興味が広がりそうです。2016/02/19
bluelotus
6
★★★☆☆ 来月のオペラ『愛の妙薬』の予習に。訳はとてもわかりやすかったが、全曲集のCDと合わせて聴くと追えない箇所が多々あった(笑)ドゥルカマーラさんがいろんな意味で美味しい役だということが判明。でもラストはこれで良かったのかどうか(笑)2022/01/23
里季
2
この頃オペラづいている私。土曜日には私の声楽の先生が出演される、ドニゼッティの「愛の妙薬」を観に行きます。このオペラは喜劇で、とっても愉快なお話。合唱の部分もたくさんあって、楽しく仕上がっていそうで、とても楽しみです。「この薬を飲めば、たちまちモテモテになること間違いなし!」と言って、安物のワインを売りつけるインチキ薬売りのドゥルカマーラがとっても愉快なの。2013/03/13
蝶子
0
日本語の文法に合わせた訳なので、文毎、単語毎の意味は取り易いですが、全体の流れは取り難かったです。無理に合わせようとした為か、日本語として不自然な部分もありました。註釈が多く、勉強になりますが、自然な訳には感じられませんでした。レイアウトは非常に見易いので、楽譜と合わせて読むのには良いと思います。2012/10/07
虹の蛇
0
昔からある愛の駆け引きのお話。出てくる薬は真っ赤な偽物。オペラでも見てみたい。2011/07/06