内容説明
作家として立つために夫・吉村昭とともに必死で小説を書き続けた若い頃。戦時中の青春。長崎、三陸、北海道、湯沢、日暮里、吉祥寺など、仕事以外には旅をしない夫の取材に連れ立った思い出の地と、移り住んだ土地。「戦艦武蔵」「星への旅」「海鳴」「流星雨」など、それぞれが生み出した作品の創作秘話。そして、故郷・福井への思い。昭和三年生れの著者が人生の軌跡を綴った珠玉の随筆五十三篇。(解説・松田哲夫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
69
私の大好きな高村智恵子の物語を書いていらっしゃることを初めて知る。是非読みたいと思う。作品で繋がる人と人、愛と愛。2019/12/28
こなな
54
作品に登場する歴史上の人物は、困難に立ち向かい信念を貫いた生き方を私たちに示され、記録文学、歴史小説が中心の吉村昭氏ご夫妻のことが知りたかった。『吉村が蒸発したら…思案橋あたりで見つける自信があった。』旦那様のことは知り尽くしているという感じが、僭越ながら健気で可愛らしいと思った。津村氏は福井県出身とのことで福井についてよく記してある。若狭は国宝や重要文化財の寺社や塔や仏像が多く海のある奈良とも言われているそうである。ご夫婦で福井を題材にした長編を何作か書かれている。作品の取材で度々福井を訪れている。 2025/09/17
タツ フカガワ
47
〈夫の面影〉から始まる全5章、53編を収めたエッセイ集。夫というのは故吉村昭さんのことで、二人の出会いは大学の文芸部。「委員長は吉村昭という結核で進学が遅れている老けた学生で、守衛が助教授だと思って挨拶していたという」その人とともに、この後作家への道を歩んでいく。そして、これはお前が書くべきだと、書斎に幕末の長崎の写真家上野彦馬の資料を遺して逝った話など、どれも心温まるエッセイでした。2024/06/12
やどかり
22
やはり吉村昭氏とのエピソードを知ることができるのがよかった。生前の原稿を手にし涙されるなど、吉村氏が亡くなった寂しさを抱えたまま生きてらっしゃるんだなと思った。作家同士の夫婦で、かけがえのない戦友のような存在だったのかもしれない。津村氏の作品にまつわる話もあって、読みたい本も増えた。2022/10/10
ryohjin
18
夫・吉村昭氏没後のエッセイです。一篇5ページほどの簡潔ですっきりした文章に居心地のよさを感じ読み終えました。大半の作品に吉村氏が登場しており、共に作家として歩んできた相方への想いが感じられます。 吉村作品について知りたくて手に取った本ですが、著者自身の小説についても書かれており、こちらも読んでみたくなりました。2023/05/02
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