内容説明
12世紀が終わる頃、神聖ローマ皇帝とシチリア王女の間に一人の男子が生まれた。少年は両親をはやくに失い、絶大な権力をもつ法王の後見を受けたが、帝位に登り、広大な領土を手中にすると、法王との関係が緊張。法王に十字軍遠征を約束するが、剣ではなく交渉を選んだことでますます反感を買い、ついには破門に処されてしまう……。生涯を反逆者として過ごした中世を代表する男の傑作評伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
72
面白かったです。中世のヨーロッパで帝位に上り詰めたフリードリッヒ二世。反逆者とは言われるものの、後のルネサンスの基盤を作ったと思うと、先駆者としての統治者のように見えてなりません。下巻も読みます。2020/09/23
Tomoichi
55
世界史はあまり勉強しなかったので神聖ローマ帝国皇帝と言われてもピンと来ず、上下巻組みで読みやすそうということ購入したが、これが塩野七生好みの皇帝・指導者で、悪役には異端裁判所を作った法王グレゴリウスと役者が揃い、面白い。外れの無い著者の作品ですが今回も◎。上巻はフリードリッヒ二世の絶頂期まで。下巻が楽しみ!2020/09/05
読特
50
第6次十字軍。外交で獲得したイェルサレム。当時の評価は低かったが、今ならノーベル平和賞もの。権威や武力ではなく法で統治する、学問を尊重し大学を設立する。学術会議問題最中の今考える。過剰な防衛力を合理化するための中央集権化。防衛予算は伸びているのに、一極集中し過ぎた東京で思う。教皇との対立。物語は敵役がいなければ盛り上がらない。相手の立場も考えないと歴史は評価できない。そこは差し引いても革新的な人物だったことは間違いないだろう。絶頂期で終わった上巻。下巻はどんな展開になるのか。楽しみ。2020/10/21
rosetta
36
1194年「赤髭」の孫として神聖ローマ帝国とシチリア王国の後継者となるべく生まれたフリードリッヒ二世。三歳で父を四歳で母を亡くした幼児はサラセン人すら活躍するシチリアの王宮で育つ。早熟にして14歳で自ら成人を宣言し17歳でドイツに渡り皇位に付く。本物の王侯の血筋だな。全き合理主義の人として旧弊なローマ法王と対立しながらプレルネサンス人として様々な画期的な施策を打ち出す。無血交渉でエルサレムを回復し、シチリア王国を封建主義の国から中央集権の国へと衣替えさせる。物凄く興奮する塩野歴史エッセイ。中世を超えた人物2020/10/26
Book Lover Mr.Garakuta
31
久々に手に取った塩野七生先生の本。非常に重厚でどっしりした本。歴史の中で、このような人が存在していたのかと思うと心ときめくものを感じ。彼のような生き様や考え方も一考の余地ありと思いました。2019/12/28
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