- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
世界中で大人気の日本の漫画・アニメ。この礎を作ったのは手塚治虫だと一般的には思われているが、実は彼に大きな影響を与え、今も続く表現形式の原型を作り出した二人の先人漫画家が、明治・大正・昭和のはじめに活躍していた。北澤楽天と岡本一平。楽天は福沢諭吉が創刊した『時事新報』で風刺画を描いたのを皮切りに、漫画におけるキャラクターの重要性や日本初の「少女漫画」を生み出した。一平は夏目漱石に認められて『朝日新聞』に挿絵を描いたのち、コマ割りと文章を組み合わせて大河ドラマ的な作品を作るストーリー漫画の原型を作り出した。さらに両者は漫画雑誌や全集・作品集も大ヒットさせ、経済・社会・文化的にも大きな影響を残した。彼らの足跡をつぶさに紹介し、さらに手塚の活動も解説することで、今や日本を代表する文化となった漫画・アニメの、明治から昭和までの歴史を描き出す。
目次
はじめに
第一章 ジャパニメーションの発展と手塚治虫
第二章 北澤楽天の生涯と業績
第三章 岡本一平の波乱の人生と功績
第四章 楽天山脈と一平山脈に連なる弟子たち
おわりに
主な参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bura
39
私は以前から日本の漫画は「点在する無数の才能」ではなく、「線でつながる進化してきた才能」と考えていました。世界に広がるMANGAやジャパニメーションの祖は勿論、手塚治虫と言えるのですが、それ以前の「線」をつなぐ作家たちが作り出してきた事も又、真実なのです。この本に描かれている北沢楽天と岡本一平はまさしく手塚治虫というビックバンにエネルギーを注いだ2人の天才、まさに日本漫画の祖と言えます。漫画史に興味のある方は必読の一冊。漫画は奥が深いです。2020/06/19
けんとまん1007
27
漫画と言えば手塚治虫さん。まさに、天才であり巨人である。しかし、手塚治虫さんがいきなり出てきたのではなく、そこに至る経緯がある。キャラクターとストーリー。それを生み出したのが、このふたり。それはそれとして、生み出される環境が、醸成されていると言うこと。それが、今のジャパンアニメーションにも引き継がれている。この後、どう発展していくのだろうか?2020/05/06
rokoroko
19
最近さいたま市の漫画会館に行った。北沢楽天の展示があるのは知っていたが見たかったのはパタリロの原画。漫画会館の近所に住んでいたのに北沢楽天の事よく知らなかった。岡本一平(太郎の父)と並ぶマンガの祖なのか!。65歳の私はのらくろは復刻版で見たことあるけどそれ以前は全く知らない世代。良く読むと初めの頃の「サザエさん」のような味わいの漫画。漫画は字に疎い人でも内容がわかる新聞の一コマ。このふたりから手塚治虫に続くのね。マンガの歴史も勉強する人もいるのでしょう。興味深かった2023/09/28
Shotaro Tsuji
2
言い回しが大袈裟すぎるので注意して読まなければならない。2020/10/23
lovejoy
1
★★★2022/08/21