講談社文芸文庫<br> マス・イメージ論

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講談社文芸文庫
マス・イメージ論

  • 著者名:吉本隆明【著】
  • 価格 ¥1,672(本体¥1,520)
  • 講談社(2020/05発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062901901

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内容説明

カフカ、小島信夫、中島みゆき、山岸涼子ら、文学・漫画・CM・歌謡曲などを全体的な概念として捉え、「現在」を読み解く斬新な評論。新しい時代を予見した格闘の書! ――文学、少女漫画、現代詩、歌謡曲、テレビCM……。マスメディアを通して現れた言葉やイメージを産み出している「現代」という名の作者をめぐって、果敢に挑んだ評論集。小島信夫、高橋源一郎、萩尾望都、糸井重里、中島みゆきらの諸制作品を、個別の批評方法から離れて解析・論述し、「戦後思想界の巨人」の新たな側面を示して反響を呼んだ。来るべき時代を予見し、今さらに輝きを増す画期的論考。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

14
トンデモ本の扱いを受けてきた印象の本でたしかに「現在」の論理的把握に失敗し続ける無様さがあるのだが、テレビの画像イメージと言語の詩的イメージを共に大衆のイメージへと貫く視座はTwitterにもTik Tokにも余裕で通じる強度を有しているのではないか。最初にカフカ『変身』の話でそこから筒井康隆、『窓ぎわのトットちゃん』、高橋源一郎、村上春樹。さらに伊藤比呂美、小島信夫、萩尾望都、コマーシャルなどを取り扱うが、引用の仕方に癖がある。松任谷由実・中島みゆきの情念が「設定」によっているという分析に頷く。2023/08/01

にしの

7
確かにわかりづらい。晦渋というか重複も多い。でも「解体論」「喩法論」は吉本らしい冴えで白眉。純文学作家群への鋭すぎる洞察は『悲劇の解読』をふまえなければわかりづらいかもしれない。当時中上健次・柄谷行人は、対談で、村上春樹や高橋源一郎など当時最前線のポップ系現代小説をバカにして、真面目に考察していた吉本隆明を貶していたが、そのために村上春樹=純文学となった2022年の一般的な読者層に通用しない価値観になってしまってる。その点愚直に分析して向き合ってる吉本隆明の方が見る目あるし、純粋な知的誠実さを感じる。2022/01/22

恋愛爆弾

6
無茶苦茶すごかった。とくに「差異論」なんかはまさに現代の殺伐とした様相を捉えている。どうせジジイになるならこういう、全方位にかっこいい視線を放つことができる目を保有したままの歳のとり方がしたいと思ったし、また今の段階においても吉本隆明をもう一度腰を据えて読まなくてはいけないだろう思った。2019/02/07

静かな生活

5
これはすごい。YouTubeやニコニコ動画あたりにまで射程が入っている奇書。特に「現在という作者」あたりを筆頭に語彙センスが光る。「作者の死」(バルト)といった大陸系現代思想の語彙に並ぶ驚異的な普遍性を誇っている。[単行本版]2020/08/01

azurite

2
初めての吉本隆明。図書館の返却期限に追われるように読了、手元においてあとで読み返したい本。難しかったが、読んでいてなんだかぞわぞわした2015/06/11

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