賊軍の昭和史

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賊軍の昭和史

  • ISBN:9784492061961

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内容説明

薩長(さっちょう)史観に隠された歴史の真実!

“官軍(かんぐん)”が始めた昭和の戦争を“賊軍(ぞくぐん)”が終わらせた!!

鈴木貫太郎(関宿)、石原莞爾(庄内)、米内光政(盛岡)、山本五十六(長岡)、井上成美(仙台)……など、幕末維新で“賊軍”とされた藩の出身者たちの苦闘を通して「もう一つの昭和史」を浮かび上がらせた異色の対談。
奥羽越列藩同盟など、幕府方につき新政府軍(官軍)抵抗した藩は、維新後「賊軍」としてさまざまな差別を受けた。その藩士の子息たちは、陸軍、海軍で薩長閥によって非主流派に追いやられ、辛酸をなめることになる。
やがて昭和に入り、日独伊三国同盟に反対した海軍の米内、山本、井上の賊軍トリオは、主流派である薩長閥に抗しきれず開戦を迎える。
そして、“官軍”が始めた無謀な戦争により滅亡の瀬戸際まで追い込まれた日本を救ったのは、鈴木貫太郎、米内光政ら賊軍出身者だった――。

新視点からあの戦争の真相を読み解き、いまに続く“官軍”的なるものの正体を明らかにする。



★著者の言葉

半藤一利
「あの戦争で、この国を滅ぼそうとしたのは、官軍の連中です。もっとも、近代日本を作ったのも官軍ですが……。
この国が滅びようとしたとき、どうにもならないほどに破壊される一歩手前で、何とか国を救ったのは、全部、賊軍の人たちだったのです。」

保阪正康
「太平洋戦争を批判するとき、実は薩長政権のゆがみが継続していた点は見逃せないのではないでしょうか……。
薩長閥の延長にある軍部を(賊軍の官軍的体質といったものまで含めて)批判するという視点がそのまま持ち込めるように思います。」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひろき@巨人の肩

100
官軍・薩長史観の功罪と終戦時に日本滅亡を救った賊軍の皇国史観。その源流が戊辰戦争にあった点が面白い。錦の御旗を利用した官軍・薩長と賊軍・旧幕府。大日本帝国憲法の統帥権委託など天皇を「玉」として利用。日露戦争の戦果に囚われ、昭和軍部に歪みが生じた。一方で昭和軍部の賊軍は、幼少時代に辛酸を舐めたが、「抜いた刀の鞘への納め方」を心得ていた。鈴木貫太郎首相の終戦工作は負け方として見事。長州への憎悪と永田鉄山の憧れに翻弄されたエキセントリックな東條英機。軍部より異端視された孤高の天才・石原莞爾。2021/04/12

り こ む ん

36
約60年。明治~昭和まで、そう見ると。戊辰戦争で賊軍とされた記憶は、祖父母たちから、当時の話をまざまざと聞いているだろう。それならば、官軍、賊軍意識は植え付けられているかもしれない。と、思うものの…ちょっと、ちょっと、苦しいものがあるような気がしないでもない著書。そんな見方もあるだろうけれど…単に考え方、方針の違いが原因な感じもする。ただ、その感覚は、今は歴史に参加してる感覚が、当時と比べようもなく希薄過ぎるから、歴史に汚名を残す「怖れ」を知らないからかもしれない。2016/08/03

金吾

32
△内容は同感の部分もありますし、対談であるためか読みやすいです。しかしながら善悪ありきな強引な話が多いように感じました。視野狭窄ぶりは著者たちが批判している官軍と同じかなと思いました。2022/01/06

おさむ

27
戦史の善き伝道師たるお二人の対談。第3弾は薩長の「官軍」が戦争を始めて、鈴木貫太郎など「賊軍」が終わらせたとの興味深い洞察。軍隊の根強い藩閥、その打倒を目指し暴走した永田、東條、石原ら陸軍の一夕会。今村均陸軍大将という稀有な人物等々、目から鱗のトリビア話ばかりで勉強になりました!2015/09/08

魔王

21
内閣と軍隊が薩長ベースというのを聞いていたが、昭和になると東北や北陸辺りからも優秀な人材が出て戦争を終わらせたことは知らなかった。面白い視点だと思います。それにしても東條英機の言われようがひどい。まさか岩手出身と思わなかった。2018/06/30

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