内容説明
日本各地や朝鮮半島に日本人の祖形を探り、アイルランドやオランダ、そしてアメリカに文明の起源をたずねた司馬遼太郎。『街道をゆく』をつらぬく独自の感性を解き明かし、行き詰まった現代社会のその先まで見晴るかす、新たな歴史風景論。
目次
まえがき
序 章 司馬遼太郎の感性哲学
第一部 欧米篇――市民と文明の意味を問う
第一章 極西の島国から世界を眺める――「愛蘭土紀行」
第二章 ビジネス文明の誕生――「オランダ紀行」
第三章 移民のつくるアメリカ文明――『アメリカ素描』「ニューヨーク散歩」
第二部 東アジア篇――鉄・馬・古墳にみる文化往来の夢
第四章 半島と島の相互交流史――「湖西のみち」「韓のくに紀行」
第五章 日本海=出雲文化圏としての広島―「芸備の道」
補 章 司馬の見残した火山の風土――群馬・渋川金島のみち
終 章 いま『街道をゆく』を読み返す理由
註
あとがき