内容説明
現代の青年が突如、華夏国の皇子に……?
中国の古代遺跡を旅していた日本人の連城愁也は、その道すがら、現地で店を営む朝井侑次郎という青年と出会った。しかしその直後、愁也は暴走したトラックにはねられて瀕死の状態に。駆け寄ってきた朝井に「死んではいけません」と手を握られるが、そのまま意識を失い――次に目覚めたときには、古代中国にも似た「華夏国」という国の少年皇子・廉愁になっていた。しかも、目の前にはあの朝井とどこか似ている男・李鳳麗がいる。どうやら愁也は現代日本人としての意識を保ったまま、謎だらけの中華風世界に迷い込んでしまったようなのだ。
華夏国の皇子・廉愁はもうすぐ迎える16歳の誕生日に、冠礼の儀を執り行い、同時に皇太子として立つことになっていた。が、不慮の事故か何者かの陰謀によって、一度は呼吸が止まっていたのだという。それを「死人寄せ」をして生き返ったのが今の廉愁で、どうやらその中に愁也は取り込まれてしまっているようなのだ。
何らかの事情を知っている様子の鳳麗に支えられながら、廉愁として生きるほかなくなった愁也は、いつか元いた世界に戻ることを夢見つつ、皇子の周囲のきな臭い状況と、その誕生の秘密を把握し始めるが……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
66
新刊。元々あちらの世界の魂なのにこちらの世界に転生してしまい、ある出来事から本来元いたあちらの世界に皇太子として戻る…という、書き出すとちょっと十二国記的な設定。人物像も魅力的でもっと読みたい。けどこの1冊だと感想が難しいなあ。特に鳳麗の設定というかシステムが読み直してもよく分からなかった。朝井は江戸時代にいて、それが華夏に行って、侑に押し出されて日本にいる…で良いのかな?朝井は何でどこかに飛ばす(?)力があったのか?終わり方が唐突で物足りないー。腹黒廉坷の素ももっと知りたかったし皇太子がどうなるのか→2020/05/20
しゅてふぁん
42
中国の遺跡を旅していた愁哉が事故に遭い、目覚めたら古代中国に似た華夏国の皇子になっていたところから始まる物語。皇子の周囲はきな臭く、ストーカー体質(笑)の弟が可愛い。物語はまだ始まったばかり(だと信じたい)、主要な登場人物が出揃って、物語の世界観や華夏国のことがなんとなくわかってきたところで終わってしまった。続編あるよね?華夏国での問題は解決してないし、可愛いけど腹黒な弟君をもっと愛でたいので続きを楽しみに待つ!2020/07/13
yamakujira
4
なぜか中国に惹かれて中国で働く愁哉は、旅先で事故に遭い、目覚めると華夏国の少年皇太子である廉愁になっていた。で、実質的に宰相の李鳳麗、次男を帝位に就かせたい皇后、敵意のない弟、実直な武官など、男ばかりの王宮で廉愁は陰謀に立ち向かっていく。単純な転生とは違う説明でややこしいけれど、あまり難しく考えずに軽く読むものだろう。ラストはどうにも消化不良、こんなのでいいのかなぁ。途中のキスシーンでBLかと恐れたのは杞憂だったにしても、BLとは言えないレベルで雰囲気はあるかも。 (★★☆☆☆)2022/02/23
maro
3
面白かった! 続きも読みたい!とは思うけれど、一区切りはしたもんなぁ。華夏国の人たちがみんな面白くて、これで終わってしまうのは勿体ない。現代と華夏を行ったり来たり…なんて、都合の良い展開はないよな〜。廉珂の可愛さとしたたかさが特に好き。2020/05/17
菊地
1
面白くなかった。中華ものとしても、謀略ものとしても、異世界転移(転生)ものとしても、タイムトラベル(?)ものとしても、どれをとっても中途半端だったし、キャラクターの描き方や文体も好みと合わなかったし、終わり方に至っては脱力した。致命的なほど「僕には合わない」要素しか無く、読了後にここまで徒労感しかない作品は久々。面白いと書いてる人もいるから好みの問題なのでしょうし、そういう意味では僕は選ばれなかった側の読者でしたね。2020/05/10