出版社内容情報
虚をつくような洒落た結末が楽しい大人の童話。
戯曲『マッチ売りの少女』などで小劇場演劇の先駆者として活躍した著者が、読者の虚をつくような結末を用意した、大人のための童話集。
今から30年ほど前、「おはなしこんにちは」というNHKの幼児向けの人気番組があったのを覚えているでしょうか。そこで朗読された童話が、本書に収められた、別役実氏の書き下ろし童話でした。
▼表題作の「淋しいおさかな」をはじめ、「煙突のある電車」「猫貸し屋」「穴のある町」「可愛そうな市長さん」など、22作に共通するのは、穏やかな始まりと、虚をつくような結末、あるいは哀愁漂う結末など、いわゆるハッピーエンドで終るような童話ではなく、大人の鑑賞にたえ得る童話という点でした。それは、この作品集が単行本として刊行された当時、大人の支持を受け、版を重ね、復刊を望む声が多かったことでもわかると思います。まさに、本書は「大人のための童話集」の走りだったのです。
▼当時の番組をリアルタイムで見た子供たちは、今、40代の働き盛り。かつて自分が子供だった頃を、本書を読んで思い出してみてはいかがでしょう。名作、待望の復刊。
●煙突のある電車
●象のいるアパート
●機械のある街
●魔法使いのいる街
●猫貸し屋
●迷子のサーカス
●みんなスパイ
●淋しいおさかな
●馬と乞食
●工場のある街 他
内容説明
『マッチ売りの少女』『不思議の国のアリス』などで、独自の演劇空間を創造した劇作家、別役実。別役には劇作家という顔とともに、童話作家、エッセイストという顔がある。本書は、童話作家としての別役の作品集である。穏やかな始まりと、虚を衝くような結末。本書に収められた22の作品は、どれもその魅力にあふれている。長い時を超え、今も多くの読者の支持を受ける別役童話、待望の復刊。
著者等紹介
別役実[ベツヤクミノル]
劇作家。1937年、満州(現、中国東北部)生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。ベケットらの不条理劇に影響を受け、鈴木忠志らと劇団早稲田小劇場を創設。戯曲『象』(62年)で注目され、『マッチ売りの少女』(66年)と『赤い鳥の居る風景』(67年)で岸田国士戯曲賞を受賞。71年『そよそよ族の叛乱』で芸術選奨新人賞、87年に戯曲集『諸国を遍歴する二人の騎士の物語』で読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
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