内容説明
シルクロードの深奥部で作られてきた美しい陶器と伝統の技法を受け継ぐ職人たちの姿を、日本で初めて紹介するオールカラーの本。サマルカンドの世界遺産建築を彩るタイルやバザールに並ぶ手描きの皿の背景には、こんなにも深い歴史と人々の熱い想いがあった。ウズベキスタンの文化と人々の素顔に触れることができる一冊。
目次
第1章 ウズベキスタンへようこそ
第2章 ウズベキスタン陶芸の歴史
第3章 リシタン
第4章 アンディジャン
第5章 グルムサロイ
第6章 サマルカンド
第7章 ウルグト
第8章 ギジュドゥバン
第9章 ホラズム地方
第10章 タシケント
謝辞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソバージュ
8
青のタイル建築で有名なウズベキスタンの陶芸の歴史と8ヵ所の陶器の地の数々の工房が紹介されている。どれも美しく温かみのある陶器やタイルばかりで魅了される。伝統的な技法や図柄が継承されてきた窯元も多くあり、ソ連邦の崩壊と独立後各地の陶芸は徐々に復活していているようだが、観光客向けの製品も多く生産されるようになり、伝統工芸の継承も危惧されている。遊牧民の間では明るい青こそが聖なる空、神の表象であったため青が好まれたそう。2019/08/22
Davis MickelsonⅢ世
1
ウズベキスタン各地の工房と職人、そして作品の写真がメイン。文の量は多くないのだが、伝統工芸というものが社会主義経済下のみならず資本主義経済下においても難しさを抱えているという記述には考えさせられた。 個人的に一番印象的だったのがウルグトの陶器。青を基調とした他の地域の陶器とは異なったまるで唐三彩のような色合いが美しく、これもシルクロード経由の文化伝播なのだろうかと感じさせられた。2024/01/19
りうかん
1
ウズベキスタンの陶器工房を巡った一冊。極彩色の陶器の写真が美しい。2021/01/10
れうしあ
0
中世以降製陶技術が発達し各地で伝統が受け継がれたが、ソ連時代には陶芸の集団化が強制され、陶芸が途絶えた地域もある。一方で、工場や生産組合の中でも徒弟制により伝統が受け継がれた窯元もある。独立後、国営陶器工場がなくなり多くの陶工が職を失ったが、彼らは自宅に工房を作り、地元の伝統を活かした製品を作るようになった。イスラーム建築の装飾タイルの修復にも、陶工の技術が用いられている。2023/08/25
Y
0
★★★★☆2023/07/17