内容説明
剣豪、茶聖から大泥棒まで 神業で時代を変えた男たち
業師といわれるほどの人は、その道において、特異な感覚といってもよい能力をそなえている。人柄はおおむね明るい。一見暗く見えていても、本質は陽気だ。そうでなければ、人からほめたたえられるほどの才能を発揮できない。――(まえがきより)
新陰流の流祖で柳生石州斎にその神髄を相伝した上泉伊勢守信綱。無類の武辺者でありながら奇矯なかぶき者として知られた前田慶次。信長・秀吉と真っ向から対峙した茶聖・千利休。そのほか築城・藤堂高虎、水墨画・長谷川等伯、大泥棒・石川五右衛門ら、戦国の世、神の〈業〉で時代を変えた十人のカリスマの生き様を歴史小説の泰斗が描く傑作列伝。
〈目次〉
【剣豪】上泉伊勢守信綱
【かぶき者】前田慶次
【茶聖】千利休
【築城名人】藤堂高虎
【絵師】長谷川等伯
【水軍大将】久鬼嘉隆
【外交僧】安国寺恵瓊
【鉄砲衆】雑賀孫一
【大泥棒】石川五右衛門
【山師頭領】大久保長安
解説/末國善己
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
137
著者が考える戦国時代の業師10人の話。剣豪、武将、絵師、茶人などなど。前田慶次や千利休もいれば、この人誰?みたいな人も、これを読む人によってはいるのかな。著者の持論も踏まえた優しくかみ砕いた本のウィキペディアみたいな感じというか教科書的な感じかな。物語性はあまり感じないですね。個性豊かな人はどの時代にもいますね。2020/05/07
姉勤
40
業師:比類なき成果を上げる人物。剣術、風流・傾き、茶道、築城、絵画、造船・操船、政略、銃砲術、偸盗、鉱業・錬金術。十名のそれぞれ卓抜した技術と業(ゴウ)の持ち主。時代小説を読めば、同時代の著名人として登場する人物でもある。その副読本でもいいし、短編をきっかけに個々の物語に魅かれてもいい。当然、遠くから眺めている分にはいいが、当人も含め身内や近隣にいれば命が何個あってもたりない。戦国の世だから存在が許されたとも言えるが、求道や贅のかぎりを味わう、平和の代償としての人生は、フィクションの中で嗜めという事か。2025/02/15