ちくま文庫<br> しぐさで読む美術史

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ちくま文庫
しぐさで読む美術史

  • 著者名:宮下規久朗【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 筑摩書房(2020/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480433183

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内容説明

西洋美術を鑑賞するには、人物の身振りやそこに込められた意味について知っておくことが重要だ。有名な《最後の晩餐》や《受胎告知》も、よく観察すると、描かれた個々の人物の異なる身振りがそれぞれ別の感情を表すことに気づく。知らないと見過ごしてしまうこれらの身振りや動作に注目すると、絵の中の「物語」が鮮明に見えてくる。古今東西の美術作品200点以上、カラー図版多数。

目次

はじめに
走る
踊る
梳る
殴る
踏む
吹く
接吻
抱く
食べる
飲む
おんぶ
落ちる
支払う
手を取る
肩を組む
恥じらい
嘲り
怒り
嘆き
絶望
酔態
驚き
叫び
笑い
祈り
祝福
正座
土下座
体育座り
寝そべる
居眠り
 杖
宣誓
聖なる手
脚を組む
腕を組む
数え指
頭に手を置く
天を指す
沈黙
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シナモン

164
「怒り」…西洋では自分の衣を引き裂く。「数え指」…国によって違う。「天を指す」…だからサッカー選手はゴールを決めるとこうするのか。などとても勉強になりました。また時々出てくる西洋と東洋の比較も面白いです。「抱く」…相撲絵は確かに苦労がうかがえる。「驚き」…信貴山縁起絵巻のびっくりポーズは西洋のと並べるとなんとも。「絶望」の章にあるワッツの作品『希望』…絵自体にも惹きつけられますがあとがきを読むとなおぐっときました。2020/07/12

ホークス

42
絵画の中の「しぐさ」をカラー写真満載で紹介。パラパラするだけで楽しい。キリスト教の聖画など視点、描き方が解釈によって様々だ。顔の表情よりしぐさが強く訴える絵画は多い。ムリリョの「ブドウとメロンを食べる少年」は貧しい少年たちのしぐさが現代的で17世紀の絵とは思えない。ダヴィンチの「最後の晩餐」は改めて見るとしぐさが多彩で驚く。日本だと「豊国祭礼図屏風」の躍動感ある輪舞が見事。あとがきに著者の娘さんが亡くなる前、病院でこの連載の「祈り」の回を読んだとあった。それが著者にとっても慰めになっている事を祈りたい。2019/05/13

kaori

37
モチーフシリーズに続き今回は「しぐさ」。改めて言われてみれば、確かに私たち日本人のボディランゲージというのは少ない。もちろん東西問わず共通するしぐさはあるが、教義としての宗教画を主としてきたからこそ、そのしぐさに込められた意味合いを理解することは西洋美術をより良く理解することだと納得。今回のあとがきで、お嬢様を亡くされた先生のお心が僅かばかりとも安らかになられてきたように感じられ、一読者にすぎない私も少し安堵した。2016/01/27

はな

33
しぐさから絵画を読み解いていく視点が面白かった。各国同じ意味でも形がちがったり、そう言った知識を得られるのも良かった。あとがきが悲しかったです。2022/04/27

あーびん

27
西洋美術に登場するポーズの多くは古代ギリシャ彫刻に基づくものであり、絵画の中における大げさなジェスチャーは雄弁に感情を物語り、ドラマティックな効果を与えている。海外と比べると身振り表現の少ない日本絵画だが、いくつかの項目では西洋絵画とともに引用されており興味深い比較となっている。「南蛮屏風」の中の祝福サインや数え指が絵画の中で数を表しているというのが面白かった。2021/05/17

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