ハヤカワ文庫JA<br> 少年トレチア

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ハヤカワ文庫JA
少年トレチア

  • 著者名:津原泰水【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 早川書房(2020/04発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150314231

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内容説明

都市のまどろみは怪物を育む。みんなが云う。悪いのはトレチア。殺したのはトレチア――謎の少年が囁く死の呪文「キジツダ」とは? 新興住宅地で次々おこる殺人事件。目撃された学帽と白い開襟シャツの少年は何者か。都市伝説を通して“恐るべき子供たち”の真実を捉え、未来を予見する異形のミステリ長篇!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

森オサム

49
大作。奇想、幻想、夢想にエログロ。破壊、暴力の因果応報。音楽、映像、漫画等芸術の力。友情、家族愛もほんの少々…。物語を通した主人公がいない群像劇は、そのテーマが良く分からない程あちらこちらへ飛びまくる。トレチアかマカラ、どちらかに絞ってサスペンスか幻想小説にしてくれれば、もっと読み易くて楽しめたと思う。ホントに、いくつかの短編を基に、泥沼の上に手に負えない長編を積み上げた様な作品に感じた。ただ、作者の情念は伝わる。正直このタイプの小説がバカ売れして大金を生むとは考え辛い。でも書かずに居られないんだろうね。2021/01/13

冬見

13
恐ろしくて、気味が悪くて、吸い込まれるように一気に読んでしまった。物語の深い泥濘に足を取られ、引きずりこまれる。あるいは物語が現実世界を侵しているのか。いずれにせよ、読んでいるうちにどんどん現実との境界が曖昧になってゆく。これはほかの津原泰水の作品にも言えることだが。水をたっぷりと含んだ沼の上に築き上げられた都市。都市を漂う巨大な怪魚と伝承される謎の少年のイメージは世界を徐々に歪ませてゆき、やがて破滅をもたらした。本を閉じると頭は白い靄がかかったようだった。夜の暗闇を、そこに潜むなにかをわたしは思い出す。2021/02/08

miroku

12
めくるめく読後感2020/10/14

ソラ

11
雰囲気は良かったんだけれど個人的にはもやっと終わった感じが…。2020/06/13

ふくしんづけ

9
〝緋沼サテライト〟で多発する殺人及び暴行・失踪事件、その背後で子どもたちのあいだに語られる〝犯人〟トレチア、都市の水底に時折垣間見える巨大な怪魚。そんな個々の要素が非常に魅力的なのだが、残念ながら好きじゃない。作者の端正な、ひねていると感じさせるほどの文章も、今回は物語をストレートなホラー展開に導かず煮え切らない感じ。この作家に限っては、長編ではライトな作風の方が好きかもしれず、初期作で比較的好きだったのは『妖都』くらい。〈サテライトって大きなお魚の夢なの〉の部分が一番惹かれる。2021/12/08

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