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内容説明
人口減少、低成長、そして貧困化…。日本が「静かな有事」に襲われている。もはや弥縫策で対処できる状況ではない。誰もが安心して暮らせ、競争力が高い国をどう構築するのか―。財政、金融、社会保障、国と地方の関係など、この国が抱える問題の根源を明らかにし、抜本的改革と成長戦略の包括プランを提案する。
目次
第1章 人口減少、低成長、そして貧困化
第2章 財 政
第3章 日本銀行と政府の関係
第4章 年 金
第5章 医 療
第6章 国と地方の関係
第7章 成長戦略と格差是正
第8章 社会保障の新しい哲学
第9章 残された課題--財政再建と選挙制度改革
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HMax
33
50年後の日本、今と比べて明るいと思いますか?Yes:33%、No:66%。 まるで第二次大戦末期のような財政状況、当時の財政悪化の原因は戦争と単純だったが、現在は「人口減少」「少子高齢化」「低成長」「貧困化」と複雑で簡単には解決できない。「統計も資料も分析も、またそれに類する科学的手段や論理的論証も、一切は無駄であって、そういうものをいかに精緻に組み立てても、いざという時は一切が消し飛んで「空気」に決定されることになるかもしれない」、そうであれば、その空気を利用すれば、全ての問題は一気に解決するのでは?2022/03/23
まゆまゆ
8
人口減少、少子高齢化、低成長、貧困化。平成の間に社会情勢が変化したにも関わらず、経済システムに変化がない日本において抜本的なシステムの改革が必要であると説く内容。年金、医療、財政、地方行政の現状認識と改革の方向性について再認識できる。そもそも国債利払い費用が現状約10兆円のところ金利上昇すればすぐに倍以上になるのだから、消費税10%以上にしても釣り合わない。むしろ財政的には金利が上昇すると困るのではないのか……2020/09/17
Yuki2018
4
人口減少・低成長の日本では、政治の役割は「負の分配」に変わったが、機能不全の状態にある。身の丈に合わない財政運営は永続性はなく、出口での災厄は必定。著者が提示する処方箋は、新しい哲学に基づく社会保障制度改革、地方分権・インフラ集中、財政規律の脱政治化等。MMT等で世論をミスリードする輩も多い中、真面目な学者である。これらは正しいだろうが、多くの国民が公助に寄りかかり、また破壊願望でもあるのかという程のメディアの不勉強の中、残念ながら政治的に困難だろう。将来世代も繁栄する日本であって欲しいのだが。2021/02/13
朝ですよね
3
政治の機能は負の分配に変わっている。例えば医療の疾病別自己負担率変更といった具体的な提言もいくつかあるが、最も重要なのは8章に書かれている改革の哲学だろう。社会保障が担うリスク分散機能と再配分機能を切り分け、それぞれを公平かつ効率的に推進するためには、官民でどのようにその機能を担うべきなのか。哲学なしの部分的な最適化で危機が乗り切れる状況ではない。内容は概ね各省庁や日銀が作成した資料から構成されている。ただし、年金の所得代替率計算(分子分母の前提が違う)や成長率の前提などおかしな点も指摘している。2022/11/25
も、な、
0
各種論点をしっかり整理。コラムが充実。年金、医療、地方分権、金融政策、成長戦略。2020/09/06