内容説明
有名なデカルトの方法の詳しい規定はこの本にもとめなければならない.同時にここには彼の数学,自然学,形而上学の萌芽が生き生きと示されている.未完結の遺稿ではあるが,早くから写本でひろく読まれていたこの論文は,われわれに明確に考えるとはどういうことであるかを教えてくれる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
13
規則第21まで説明がなされている。例えば、第3では、対象について明晰かつ明白に直感しまたは確実に演繹しうることを、求むべきである(17頁)。帰納法を支持する実証研究。また、演繹法は理論から実践を図る。わたくしは、両方の手法を活用する必要があると思う。わかりやすい論文を書くには、先行研究のレビューは不可欠である。そのうえで、仮説→検証→結論を導く必要がある。わたくしは骨格をしっかりつくり、査読に耐える必要がある。まだ未熟ではあるが、そのためには論理を鍛える必要がある。そのために多読してきたが、精読も必要だ。2014/01/28
またの名
10
数学はなぜそうなるかを示さないので有能な人々が空しい児戯として捨てたり激ムズと思って遠ざかるのも驚かないと言いつつ、現代まで続く基本的な数学の記法と概念をあらかた提唱(謙遜が超嫌味)。感覚や先人の偉業に頼ることの誤りを告発するけど、三段論法はその正しさを予め知ってないと判断できないと批判、知性intellectusが純粋独自に考えるだけでは過ちが多いとも論じ想像や感覚等の諸能力と協働させる。単純で判明な直観がもたらす真理に加え、それを然るべき順序で配列し精神に理解させる思考の運動を重視する、実は重要著作。2017/10/13
taro335
6
思考法についての本なのに、なぜこんなタイトル? 部下に読んでるところを見られたら勘違いされそうですやん。2015/01/23
masawo
4
プロトタイプ方法叙説とでも言うべき濃密な内容で、規則第十二までの展開はまさに圧巻だが、後半なぜか突然図解つきの算数教室が始まる。古きよき日本語の訳文が意外とマッチしているが、生徒指導室の怖い先生が出てきそうなタイトルは何とかした方が良いと思う。2019/10/18
AKa
3
思想よりも数学史で言及される事が多い本。序説よりもコンパクトかつ余計なところ(心臓や松果腺のところ)が無いので、完結していたら「デカルトと言えばまずこれ」となっていたのではないかな。2013/08/31