内容説明
「どうせダメだ」――現代社会に蔓延する無気力。衣食住が満たされた豊かな環境というだけでは、「効力感」、つまり意欲的に環境に働きかける態度は生まれない。本書は、心理学の研究成果を広く紹介し、自律性の感覚、他者との交流、熟達のもつ意義など、さまざまな角度から効力感を発達させる条件を掘りさげる。さらに子どもも大人も、やりがいを持って生きられる教育や社会のあり方についてヒントを示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
71
報酬を設定したほうが、課題に向き合う際の興味や意欲を低めてしまうという指摘が興味深い。アメが必ずしも有効ではないということか。ここに書かれていることが個々人にとってのベストでもないという事実もまた難しい。2020/01/31
tolucky1962
12
実験から効力感向上法を示す。回避不可な苦痛で学習能力が低下,情緒混乱。立直らせるには大きな援助が必要。泣く乳児は応答で効力感,無視で無力感が蓄積。努力で解決しない→能力不足→努力せず能力不足を隠す。報酬は効力感に一時的効果はあるが,上がり続けないと以前より低下。評価では目標を下げる。自己選択・自律性が重要。競争条件は勝負に一喜一憂,無力感を生む。仲間と温かい交流で効力感が育つ。他者評価は報酬になり効力が下がる。 大人の働きかけで重要なの素早く対応,教えすぎない,否定しない,自律性を育てる,賞罰は減らす。 2020/02/22
読書熊
9
もう30年以上も前の出版なのに、極めて新しい知見をくれる本。無気力は無力感だけでなく、効力感の欠如によってももたらされる。豊かな社会は無力感はないものの、管理され生産性だけが叫ばれる中で効力感を得るのは驚くほど難しい。2020/02/09
HANA
8
大学でやっていたことの復習みたいな感じで読めた。よくよく見ればかなり前の話で。道理で最近ではないよなぁと思う部分もあって。ただ基本は変わらないと思う。2020/03/08
connect
7
人間が無気力になるのは効力感の欠如からという点に納得した。他者に頼られたり感謝されたりしているときは、無気力や虚無感を感じず、充実感ややる気が得られていると思った。無気力や虚無感を感じる場面が近年多くなった理由はコロナ禍で人との繋がりが減ったことだと思っていたが、真相は効力感が欠如しているからだと思った。今後の対策としては、効力感を得るために人との接点を増やすことを心掛けたい。また、周りの方に対して感謝することで相手にも効力感を与えるようにしたい。周囲環境が良くなれば自分にも帰ってくるはず。2022/12/11
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