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内容説明
「人間は一人ひとり性格も個性も違うからこそ、世の中おもしろいし、豊かになる」
ディスレクシア(識字障害)を公表した落語家が、
多くの人に発達障害について知ってもらうべく筆を執った一冊
【目次】
第1章 ひょんなことから識字障害に気づく
●最初は受け入れられなかった識字障害の疑い
●疲れやすいのにも理由がある
●先生、発達障害について教えてください 岩波明(昭和大学附属烏山病院長)×柳家花緑 ほか
第2章 得意なことを、ちょっとずつ伸ばしていく
●“落ち着きのなさ”で目立っていた
●「読めない」「書けない」から、授業についていけない
●お母さん、僕を育てるのは大変でしたか? 小林喜美子(柳家花緑の母×柳家花緑) ほか
第3章 苦手なことは、自分なりに工夫する
●場が読めなくて問題発生
●専門機関で診断を受けるのが大事
●発達障害は、人によってここまで違う 柳家花緑×柳家花飛 ほか
第4章 今、僕が思うこと
●二次障害について理解してほしい
●洒落がわかるとラクになる
●家族の理解と支えあってこそ 柳家花緑×小林(花緑・妻)×西澤(花飛・妻) ほか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
24
自分が発達障害であることを公表した著者。その祖父五代目小さんは一回聞いただけで何百という噺を記憶していたというが、発達障害研究の第一人者岩波明氏が、祖父もサヴァン症候群であった可能性を示唆する。小さんと弟子談志とのすれ違いもそれが原因の一つか。ともかく、著者がいうとおり「止まり木」を得るためにも、自分を正しく知ることが必要と知る。著者の弟子花飛もアスペルガー。二人の対談は、傍目には嚙み合っていないようにもみえるが、お互いを認め合っている所為か、安心感に満ちている。2021/05/31
sasara
15
小学入学から勉強が出来ずついたあだ名「バカな小林くん」中学卒業後祖父柳家小さんに弟子入りし戦後最年少となる22才で真打。40才で漢字ローマ字などがうまく認識できない識字障害と分かる。講演会では発達障害の理解啓蒙活動も、また師匠の噺を聴きたくなりました。2022/06/23
ネギっ子gen
10
人間国宝である落語家・柳家小さん師匠の孫・柳家花緑は、「読む」「書く」ことに困難がある、識字障害という学習障害が(たぶん、ADHDも)ある、とカミングアウトしている。<僕の本業は、もちろん落語家です。でも、人さまの前に立つ、いや、座る仕事をしているおかげで、発達障害についてより多くの人に知ってもらうためのお手伝いは、できるかもしれません。最近は、それもまた僕の役目かな、と考えるようになりました。そこで、直接お目にかかれない人にも僕の経験や感じていることをお届けできれば>との願いを込めて、本書を書いたと。⇒2020/09/14
ジュリ
6
発達障害であること受け入れて、出来ない部分をカバーして努力している人。落語家になるなら部活はやらないなど、厳しい指導にもついていっている。自分ももっと頑張らなきゃと思った。2020/06/11
西澤 隆
5
劣っているからではなく、そういう特性があるということを知るだけで不便をうまくリカバリする学び方・動き方を得ることができる。だから「そういうひともいるよ。しかもそんなにめずらしくない数」ということを多くの人に知ってもらえば、いろんなことはラクになるはず。そういう意味では小さい子の親の目に特に触れて欲しい一冊。弟子の柳家花飛(かっとび)や家族他との対談でも、とにかくいろんな人がいて同じ診断でも本当に出方が人それぞれなことにも触れられる。願わくば識字障碍を持つひとの発信なのだから印刷書体がUD系だといいのになあ2021/09/25