内容説明
たいせつな父を亡くし、大坂から江戸に出てきたさくらには夢がある――一人前の料理人になり自分の店をもつ。
だがなんの因果か、吉原の妓楼〈佐野槌屋〉の台所ではたらくことに。
乏しい食材にめげそうになるが、自慢の腕をふるい、様々な悩みを解きほぐす――最高位の花魁の落涙の理由、男衆の暴れ騒ぎ、旅立つ人形師の心の迷い……温かな料理で人を包み込み、そっと後押しする。
さくらの心意気がまぶしい、人情料理小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
78
最近、吉原が舞台の小説をよく読んでる気がする。初読み作家さん、またしても吉原が舞台。父が亡くなって大坂から江戸にやってきたさくらという女性。訪ねてきた叔父さんも亡くなってて途方にくれていた彼女が連れて行かれたのが吉原妓楼の台所。料理の腕を奮いながらあれこれ展開するのではなく、板前の指図で全く料理はさせてもらえない。だが、板前の留守を狙って悩み多き遊女のために故郷の料理を作ることで生きる希望と笑顔を与えていく。さくらの初恋とか盛り込み方はいいのだが、言葉の使い方が雑すぎるのが気になる。2020/05/22
真理そら
61
吉原の下働きの年増女と食べ物という組み合わせは好物だけれど岸和田の言葉のきつさに違和感。お料理が美味しそうに感じられない(個人的感想)等々やや当て外れの感がある。でも2巻目があるのでとりあえず読み続けてみよう。2020/10/23
もんらっしぇ
56
一年積読。読み始めてふと思い浮かびました「なぜこの種の本ばかり好きで読むのだろうか?」と。結局「みをつくしロス」としか言いようがないですけどね(>_<) それは『あきない世傳』を楽しんで読みつつも消えることはありません…さて本作、物語の舞台はあの吉原。きっと多くの読者の興味を惹くでしょう。主人公の年齢も三十の大年増。これも少女が多い“ライバル達”よりも好感触。乱暴な岸和田弁も私には許容範囲。肝心の料理ですが当方の勝手な予想と異なる地味なものが多くこれはこれで自分としてはオッケーで楽しめました。2021/04/16
ソルト
17
大阪天満から伯父を訪ねて江戸へやってきた平山桜子(さくら)。しかし伯父は亡くなり空っぽの店には息子の力也だけが残されていた。そこへ伯父と知り合いという竜次が訪ねてきてさくらと力也は彼が働く吉原の妓楼『佐野槌屋』へ連れていかれる…。力也は容姿を認められ見世番へ、さくらは竜次の下働きとして台所におかれ花魁や禿達と過ごしていく。タイトルにあるようにお節介で負けん気が強いさくらは周りが気になって仕方がない。楼主の一人娘の言葉遣いが結構乱暴なのだけど根は優しいのかな。佐川のその後も気になるなぁ。2020/11/03
papico
14
今年最後の読了本。江戸の話にはまったきっかけである「しゃばけ」をいつ最初に読んだのか、読メを遡ってみると、2022年1月とあるではないか!ピッタリ3年!(読メつけててよかったと思うのはこういう時) ストーリーや語りが私には少しスパイスが足りないと言いますか、おもしれー!と言うレベルの感動には至りませんでしたが、それでも吉原の話は好きだし、当時の食べ物のお話も好きなので、十分に楽しめました。2024/12/31
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