内容説明
アフリカにあるちいさな国、ブルンジ。仲間たちとマンゴーをくすねたり、家族でドライブしたり、少年ギャビーは幸せな日々を送っていた。
しかし、初の大統領選挙をきっかけに民族対立が激化し、内戦が勃発する。親戚や知り合いが次々と消息を絶ち、平穏な生活は音を立てて崩れていく……。
フランスで活躍するアフリカ生まれのラッパーが、自らの生い立ちをもとにつづった感動作!
高校生が選ぶゴンクール賞、Fnac小説賞、第24回日仏翻訳文学受賞作。解説/くぼたのぞみ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
penguin-blue
47
フランス人の父とルワンダ人の母を持ち、ブルンジで暮らす少年ギャビー。両親の不仲が影を落とすも、周囲からの愛情に恵まれ、友と過ごす日々は輝きに満ちていた。明るい未来に導くはずの選挙が国を乱し、その後のブルンジとルワンダ両方の大統領暗殺がルワンダ大虐殺の引き金になる。平和な場所にいたはずが、知らず知らず凄まじい憎悪の渦に巻き込まれずにいられない。ほんの30年弱前のこと。大きく報道されなくても、世界では色々なことが起きている。知っても何もならないかもしれないけど、知ることに意味があると思いたい。2020/06/22
優希
39
初の大統領選を機に、民族対立が激化するのが苦しかったです。親戚や知り合いが続々と姿を消し、平穏な生活が崩壊していく。辛いですね。2024/01/14
ちえ
38
北海道の1/3の面積のブルンジ。フランス人の父とルワンダ人の母を持つ僕はそこで少年時代を過ごす。家庭の問題やフツとツチの民族間の対立は根底にあっても、子供たちの生活は輝くように生き生きしている。だが後半その世界は砂が崩れるように失われていく。変わっていく親友、ルワンダから戻った母が妹に向けて夜ごと繰り返す語り…。僕自身も自分や大切な人を守るために変わらざるを得ない。紛争が子供に与える傷は癒えることはないという事実が心に突き刺さってくる。辛い、けれど特に若者に読んで欲しい〈高校生が選ぶゴンクール賞受賞作〉2023/05/31
Apple
34
祖国を失うことへの心情が,物語全編のところどころに溢れているような気がしました。主人公ガブリエルがフランスにいてアフリカを振り返る序文や,主人公の母親にそれを感じました。「住むというのは,ある場所の地勢に環境がつくり出す窪みにまるごとすっぽりおさまることだ。ぼくはただ,通りすぎる」内乱を契機に,180度変わってしまうギャビーの周囲,自身も変化せざるを得ない状況。"二つの岸辺のあいだを大きく揺れ動く"彼の苦しい状況に対し,その急転直下さに心が追いつかないくらいでした。2023/03/26
かふ
22
著者はフランスで活躍するヒップホップ歌手。ルワンダの隣国ブルンジ共和国で起きた民族対立。母はルワンダ出身のツチ族でフランス人と結婚してブルンジに逃れて来た。ルワンダの叔母と従姉妹たちがツチ族民族浄化の犠牲になった。4人の子供たちの死と、叔母さんは行方不明で結婚したばかりの叔父さん(母の弟)はフツ族を銃で乱射して復讐したが同じツチ族の政府に死刑になった。母は三ヶ月放置されていた子どもたちの遺体の骨を拾い庭に埋めてもぬけの殻になって帰ってきたが、家族に亀裂が出来てしまう。2020/12/27
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