内容説明
『下級老人』が流行語大賞の候補としてノミネートされたのが2015年。
下流老人とは「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」と定義され、高齢者の貧困問題に警鐘を鳴らした。
しかし、当時の高齢者が抱える問題より、はるかに深刻なのが、中高年化した氷河期世代が老後を迎えるときである。
氷河期世代は雇用政策において翻弄されただけでなく、自己責任という言葉のもとに、あらゆる社会政策から放置されて今に至る。
まさに政府に犠牲にされた『棄民世代』といってもよい。
彼らが高齢者でなったときには、下級老人の比ではない貧困問題を抱えた棄民老人が誕生する。
それは当事者である彼らだけの問題だけでなく、日本全体を揺るがす衝撃の未来が待ち受ける。
誰にとっても他人事ではないこの事態にいかに対処するか。
社会福祉の現場から来るべき危機に警鐘を鳴らす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こも 旧柏バカ一代
25
氷河期世代の生活が苦しいのは何故か?その原因を書いたのがこの本。宮沢さんの国鉄の民営化による労働組合を分解し。それによって社会党の資金源を絶った。事は知らんかった。その後はお決まりの小泉・竹中の批判とマスコミの癒着について書いてあった。この本を読んで1番の衝撃は、欧州では失業者を次の産業にシフトさせる層だと見て、手厚く保護しているらしいが、、日本は其処への対応がショボい。だから産業への変換が上手く行かないのかと思ってしまったが、、真実は判らない。そう言えば、小室直樹氏も似たような事書いてな。。2020/09/08
まゆまゆ
14
就職氷河期世代と呼ばれる人々は、当時の就職時における一過性の困難ではなく政策による必要な対応がほぼ行われなかった最初の世代として、社会から切り離され棄てられた存在となってしまった。問題に気づいてようやく国の対策が始まったが、結局正社員化がゴールになっていてこれからやってくる超高齢化社会に太刀打ちできるようなものではない。小さくまとまり、その輪を拡げていく……のは果たしてうまく行くのだろうか。2020/11/24
hiyu
7
いわゆる「棄民世代」の現状、その行方について種々の事件を踏まえながら考察している。特にラストにかけて具体的な方法論も踏まえているが、そのハードルは低くないような印象はあった。2021/07/09
サラとにきぴょん\( 'ω')/
6
(全部読んでないんだけど) 著者は嫌いなのだが、自分の世代についてまとめてある適当な書籍がこれしか見つからず購入。文体が煽り口調で鬱陶しい(書籍だしTwitter程ではない)。「棄民世代」という表現は個人的には賛同。私が行政にされてきた仕打ちが激しく不当なものだし、それが「私の世代に対して」であったことをと知ったのは吉濱ツトム氏の『今ひきこもりの君へおくる 踏み出す勇気 』でだったし、雨宮処凛氏の書籍でも語られているが、考察よりも情報が欲しかったので。自分の病状のせいで簡単に読めるのしか読めなかったし。
horuso
5
日本で棄民というと、口減らしのために奨励された移民をまず連想するのだが、ここではいわゆる就職氷河期世代のこと。大学教員として、確かに就職で苦戦する学生が多かった時期があったという記憶はある。ただ、当時は教授ではなかったから学生の就職にあまり関わっておらず、強い関心を持ってなかったので、あらためて勉強になった。コロナ禍の少し前、支援プログラムをニュースで読んで、こんなの実効性あるかと感じたのを思い出した。筆者は、社会を不安定にしないための方策を提言しているが、現実味が薄い気がする。これからどうなるのだろう。2021/10/05
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