集英社文芸単行本<br> となりのヨンヒさん

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集英社文芸単行本
となりのヨンヒさん

  • ISBN:9784087735031

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内容説明

もしも隣人が異星人だったら? もしも並行世界を行き来できたら? もしも私の好きなあの子が、未知のウイルスに侵されてしまったら……? 同性愛、フェミニズム、差別と情報統制――マイノリティからのまなざしを受け止めつつ、人々の挫けぬ心を繊細に描く、「いま」と未来の物語。切なさと温かさ、不可思議と宇宙への憧れを詰め込んだ、韓国SF短編集全15編。

目次

第一部 となりのヨンヒさん
デザート
宇宙流
アリスとのティータイム
養子縁組
馬山沖
帰宅
となりのヨンヒさん
最初ではないことを
雨上がり
開花
跳躍
第二部 カドゥケウスの物語
引っ越し
再会
一度の飛行
秋風
作家の言葉
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

lily

123
学校の教科書の用語もその分野の中だけに閉じ込めるのは勿体無くて、人生や愛のメタファーに変換して大切な人にメッセージを伝えてみたら面白いな、気持ちの濃度を高く感じとってもらえるかなって考えたことあるでしょ?そういう学びの温度を思い出す。地球を宇宙に広げてみたら、またメタファーも無限に広がるんだ。科学が発達しても、微々たるアップデートでしかないのに既存の技術や物は捨てられていく。でも食べ物は誰でも作れるもので、一番価値の高いものなんだ。一次産業の安定が世界の平和を繋ぐものとして、もっと評価される世界が見たい。2020/03/25

コットン

65
第一部:11の短編、第二部:4篇の連作からなるライトな韓国SF小説(それとなくSF風でありながら心理的な又は象徴的な作品が多いのでSF嫌いの人にはとっつきやすい)。第一部では『宇宙流』の「ー理由のない石は最初から置くな。一度置いたら、使い道を探しなさい。」と言う言葉が良いな。『アリスとのティーパーティー』も訳者あとがきを読むとなるほどと思う。第二部もまあまあ面白い。2020/05/23

アマニョッキ

62
冒頭三作品「デザート」「宇宙流」「アリスとのティータイム」を読んで、なるほど松田青子さんが絶賛していた意味がわかる。「ワイルドフラワーの見えない一年」を読んだときの感動にそっくりだ。フェミニズムSFという言葉がぴったりで、すごく面白かった!がっつりSFというよりも、SFというオブラートに包んで、今わたしたちが抱えている様々な問題を見せてくれる感じかな。しかし韓国文学本当に奥深いなー。たまらん。2020/03/29

りつこ

40
今まで読んできた韓国文学とはまた一味違った味付けで今の韓国文学の層の厚さを感じる。SFをモチーフにしながら描かれているのは人との人が理解しあうこと、夢を追いかけ諦め…また夢を見つけること、人生を世界を少しでも理解すること。好きだったのは「養子縁組」「となりのヨンヒさん」「雨上がり」。「最初ではないことを」は今のコロナウィルス騒動を予言したような物語でぞわっとした。2020/03/15

あさうみ

40
良い短編集に巡り会えた。SF調の語り口で悲哀ある社会のなかで生きにくさを感じる人たちの心をすくい上げ、一筋の希望や優しさを感じる前向きな読了感がすごく好き。母と娘の囲碁の話は忘れられない。カバー下に広がる宇宙銀河な装丁も素敵。読み終わり気分も広がる。2019/12/27

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