わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術

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わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術

  • ISBN:9784802511612

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内容説明

「ウェルビーイング(Wellbeing)」とは、身体的にも、精神的にも、そして社会的にも「よい状態」のこと。心身ともに満たされた状態であることを指す言葉です。情報技術が私たちの暮らしを便利にする一方で、利用者の心の状態への負の影響も指摘されている現在、ウェルビーイングに対する注目が高まっています。
本書は、ウェルビーイングとは何なのか、そしてそれをどのようにつくりあうことができるのかについて解説した書籍です。わかりあえなさのヴェールに包まれた他者同士が、根源的な関係性を築き上げ、共に生きていくための思想、実践、技術を照らし出します。
ユーザーに愛されるプロダクトやサービスの設計を目指すデザイナー、エンジニア、ビジネスパーソン、また、組織環境を良くしたい人事・総務担当者などにおすすめの一冊です。
「わたし」のウェルビーイングから、「わたしたちの」ウェルビーイングへ。「個でありながら共」という日本的なウェルビーイングのあり方を探求します。

論考:
伊藤亜紗/生貝直人/石川善樹/岡田美智男/小澤いぶき/神居文彰/木村大治/小林 茂/田中浩也/出口康夫/水野 祐/安田 登/山口揚平/吉田成朗/ラファエル・カルヴォ

目次

はじめに

Introduction|「わたしのウェルビーイング」から始めよう
 1300人の大学生が考えた「わたしのウェルビーイング」
 「ウェルビーイング」を考えるために

Part 1 What is Wellbeing?|ウェルビーイングとは何か?
 1.0 Overview|ウェルビーイングの見取り図
 1.1 Individual Wellbeing|「わたし」のウェルビーイング
 1.2 Collective Wellbeing|「わたしたち」のウェルビーイング
 1.3 Social Wellbeing|コミュニティと公共のウェルビーイング
 1.4 Internet Wellbeing|インターネットのウェルビーイング

Part 2 Wellbeing in Practice|ウェルビーイングに向けたさまざまな実践
 2.0 Intoroduction|テクノロジーから「自律」するために ラファエル・カルヴォ

 2.1 Technology|情報技術とウェルビーイング
  2.1.1 感情へのアプローチが行動を変える 吉田成朗
  2.1.2 〈弱いロボット〉の可能性 岡田美智男
  2.1.3 「生きるための欲求」を引き出すデジタルファブリケーション 田中浩也
  2.1.4 IoTとFabと福祉 小林 茂

 2.2 Connection|つながりとウェルビーイング
  2.2.1 予防から予備へ:「パーソンセンタード」な冒険のために 伊藤亜紗
  2.2.2 「沈黙」と「すり合わせ」の可能性 木村大治
  2.2.3 孤立を防ぎ、つながりを育む 小澤いぶき

 2.3 Society|社会制度とウェルビーイング
  2.3.1 お金から食卓へ:貨幣とつながりの現在地 山口揚平
  2.3.2 ウェルビーイングと法のデザイン 水野 祐
  2.3.3 本人による自己の個人データの活用 生貝直人

 2.4 Japan|日本とウェルビーイング
  2.4.1 「日本的ウェルビーイング」を理解するために 石川善樹
  2.4.2 「もたない」ことの可能性:和と能から「日本的」を考える 安田 登
  2.4.3 祈りとつながり、文化財と場所 神居文彰
  2.4.4 「われわれとしての自己」とウェルビーイング 出口康夫

Part 3 Wellbeing Workshop|ウェルビーイングのためのワークショップ
 3.1 なぜ「ワークショップ」なのか?
 3.2 ウェルビーイングワークショップの流れと各ワーク
 3.3 「頭」と「心」と「手」を結ぶ

座談会:「わたしたち」のウェルビーイングに向けたプロジェクト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

66
ウエルビーイングは欧米からの概念。being:本質とwell:満足の、が語源。身体的、精神的、社会的にも、よい状態のこと。現代社会における効率性や経済性重視ではなく、ボトムアップで「Time Well Spent」を向上させることが大事。この書での「わたし」ではなく「わたしたち」という視点が好ましい。日本は欧米と特に個人と他者や世界との距離感が異なっており、能でいう「共話」という概念は日本ならでは。コミュニティとウエルビーイングの相性は、日本社会におけるつながりを構築していく上でキーとなるのかもしれない。2020/04/16

けんとまん1007

39
少し前から耳にするようになった言葉、ウェルビーイング。それに合わせてウェルゴーイング、ウェルドウーイングの言葉もあった。イングがキーワードと理解。私、私たち、社会、ユニバースの考え方や、和(日本)でのというのも納得。弱いロボットはそのとおりで、不便益システムともつながると思う。これまでの便利さは、最終的には、便利ではなくて不利益になることも多いと感じている。生きるとは何かにもつながる。継続して、深めていこう!2021/03/04

kana

27
ずっとウェルビーイングって何?と思ってまして。要は何が幸せか?という話だけど大切な枠組みはあってもこれだと定義せず人や組織によって個別化して考えるのが大事なんだと、下手に理解したと思わないほうが健全なのかもと思いました。たとえば個人主義的ウェルビーイング要素が重視される欧米と違い、アジアは他者を介して満たされる要素が大きいし、押しつけがましい優しさはかえってウェルビーイング損なうのは要注意だなと。メディアコミュニケーション学的な話好きなのでいろんな研究テーマが載ってるのは純粋に面白かったです。 2024/12/31

Shohei I

8
ウェルビーイングとは何か、それをどう作りあうのかということについて、様々な切り口から解説した一冊。 本書で紹介されている「弱いロボット」がとても興味深かったです。ロボットだけで作業を完結するのではなく人に助けてもらいながら目的を達成するというのは、「弱さ」の認識を変えてくれます。弱さというのは悪いものや良くないもののように思われがちです。ただ、誰かの弱さを補うことで自分が誰かの役にたつ、そして自分の存在を肯定できるのなら、弱さというのは悪いものではなく誰かのウェルビーイングにつながるものだと思いました。2023/11/13

izw

8
ウェルビーイングについて包括的にとらえることができる。「わたし」個人だけでなく「わたしたち」で共創する日本的なウェルビーイングを探っている。パート2では、15人のさまざまな分野の専門家が、それぞれの視点から〇〇とウェルビーイングを論じていて、ウェルビーイングについて斬新な面を伺うことができる。ウェルビーイングを指向する技術を目指すために必携の一冊であろう。2023/01/28

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