内容説明
音大を中退した小説家志望の「ぼく」、同級生は魔法のような音を奏でるピアニストの卵。その彼女の潮里に、ぼくは片想いしている。才能をもつ者ともたない者。それぞれが生身のからだをもって何百年という時間をこえ体現する、古典を現代に生き継ぐことの苦悩と歓び。才能と絶望と恋と友情と芸術をめぐる新・青春音楽小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
195
町屋 良平は、新作中心に読んでいる作家です。このタイトルは何かなと思ったら、青春音楽小説でした。ショパンや音楽のエピソードはたくさん登場しますが、本書は音楽を奏でてくれません♪ ショパンのゾンビというよりも、本書自体がゾンビでした。何時かショパンコンクールを生で観たいなぁ🎶次回は2020年です🎵 https://www.tiaa-jp.com/concours/chopin_competition.html 11月は、本書で読了です📚2019/11/30
旅するランナー
173
芥川賞受賞作「1R1分34秒」でボクサーの心の中を描いた作者が選んだ次のテーマはピアニストと作家志望。ベトナム出身で1980年ショパンコンクール優勝者ダン・タイ・ソンのエピソードから、若者たちのフワッとした恋愛まで、独特の文体とリズムが、かっこよすぎて、軽やかに悔しいです。こうした作品が度重なるとぉ、いっても僕だってぇ、読書熱がぁ、沸騰しちゃうよぉぉぉ。ゾンビものではなく、音楽と小説の構造は似ているし、音楽と小説で時間は繋がっているのだと感じます。読まないと、ゼツ・タイ・ソン(絶対損)ですからぁぁぁ。2020/03/20
いたろう
67
音大を中途退学して、バイトをしながら小説を書いている「ぼく」、音大でできた友人で、ぼくの部屋に入り浸って、ショパンコンクールの映像ばかり観ている源元、ぼくのバイト先の同僚で、源元の彼女の潮里、同じくバイト先の同僚、寺田の、ほぼ4人による小説。ピアノ、ショパンに関する専門的な記述がある一方で、全体として飄々と軽く、源元のピアノコンクールの場面も、改まった緊張感はない。著者は、「1R1分34秒」で芥川賞を受賞した時に、スマホで原稿を書いていると言っていたが、本作もそうなのか。妙にひらがなが多いのは、そのせい?2020/01/13
アマニョッキ
66
やった!感想一番乗り!めちゃくちゃ嬉しいぞい。町屋さんの作品の心地よさを語るのはいつも難しくて、言葉にすればするほど町屋さんの世界が汚れてしまいそうで、でもとにかくわたしは町屋さんの作品が大好きで、その想いを伝えたいとつよく思っていることだけは間違いないのです。町屋さんの描くひとたちが、夜を歩く、ピアノを弾く、マスカットを食べる、首筋をなめる、たかいね空と言う、それだけでわたしは胸がジーンとなるのです。本のサイズ感もフォントも木村和平さんの写真も紙質もすべてが大好き。町屋さんありがとうございます。2019/11/08
konoha
61
町屋さん、好きです。「1R1分34秒」より、読みやすかった。音大をやめ、小説を書くぼく、ピアニストの卵、源元、その彼女、潮里。現代詩のような表現の一つひとつに、はっとする。心の震えや表情や体温をピュアな言葉にすることが徹底されていた。弟との会話、ファミレスのバイト、ぼくと並ぶ潮里、急に決まった旅。何気ないけど、キラキラしていて、誰もが経験したことのある感じ。「永平寺をみて生を感じ、東尋坊をみて死を感じ、カニをたべような、ぼくら。」という文を読んだ時、好きと確信しました。作品にある隙がとても良かった。2021/05/16
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