ちくま新書<br> 四国遍路の世界

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ちくま新書
四国遍路の世界

  • ISBN:9784480073099

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内容説明

近年ブームとなっている四国遍路。四国八十八ヶ所の成立、遍路日記などの記録、古代から現在に至る歴史的変遷、古典文学での描かれ方、外国人遍路を含めた現在の人気、世界各地の巡礼との比較など、さまざまな視点から読みとく15講。四国遍路はなぜ時を超えて人々を魅了してきたのか? 最新の研究をまとめた入門書。

目次

第1講 四国八十八ヶ所の成立 川岡勉
第2講 四国遍路と古典文学 西耕生
第3講 江戸時代の遍路日記に見る四国 胡光
第4講 江戸時代の遍路統制 井上淳
第5講 道標石から見た四国遍路 今村賢司
第6講 四国遍路と女人禁制 森正康
第7講 四国遍路と明治維新 中川未来
第8講 弘法大師空海と四国遍路開創伝承 大本敬久
第9講 納経帳・般若心経・白衣 寺内浩
第10講 俳句・文学から見る近現代の四国遍路 青木亮人
第11講 四国遍路と外国人 モートン常慈
第12講 現代における四国遍路の諸様相 竹川郁雄
第13講 アジアの巡礼 高橋弘臣
第14講 イスラームの巡礼 安田慎
第15講 ヨーロッパの巡礼 山川廣

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

千加

16
いろんな分野からの考察があり、難しい言葉が多く理解が及ばないな。でも、遍路は厳しい修行から観光まで緩くなり、緩くなるほど庶民に馴染む。いつでも気軽に始められ、服装も自由。そのぶん、神仏に失礼がないよう、マナーや思いやりを自覚できる。身の丈似合う詣り方。現代は乗り物もあるし体力ない人にも優しい。想像はつくけど、昔の山岳信仰からくる女人禁制とか、よそから来て悪いことしたり目的が物乞いで遍路刈りが正義のようになったり苦労も多い時代を経過してからの令和をよく見つめて→2020/08/16

ピンガペンギン

13
図書館。大学教授が主に書いていて色々なテーマで四国遍路についてバランス良く学べる本。外国人で日本に帰化した先生もいる。世界の巡礼事情も。以下メモ。空海が四国八十八箇所を設定したという証拠はない。江戸時代にも遍路と接待は盛んで四国以外(今の岡山とか和歌山とか)からも接待講が来ていた。空海は讃岐出身で幼名は真魚(まお)。親戚に渡来系がいる。(だから言語を習得出来ていたのか。)空海と最澄は同じ遣唐使船に乗っていった。最澄は官費で。空海は私費で行った。帰国して三年は朝廷に出した報告書を無視された。2023/01/16

はちめ

13
四国遍路についてさまざまな観点から考察した論文集。愛媛大学に研究センターがあるらしい。いろいろ面白い内容が含まれているが、四国遍路のイメージである納経帳、般若心経、白衣などが比較的最近定着したものだというのも意外。いわゆるお接待についても初歩的説明がされていて参考になった。本書中に指摘はなかったと思うが、日本仏教において意識的に行われていない「お布施」が言葉を変えて実践されているのだと思う。ミャンマーなど上座部仏教系の国に行くとお布施というものをどれ程重要視しているかということが良く分かる。☆☆☆☆2020/04/25

羊山羊

11
四国遍路を「『空海ゆかりの聖跡巡礼』という点に四国遍路の本質があるとみて良いP28」と定義して、その歴史と民俗史的観点を中心に展開する論集。論集であるがゆえにまとまりに欠けるのと実用的知識に欠けるのがちょっと辛い。知的関心を満たす内容としては◎だけど、参考文献や著者を把握するのに割り切った方がいいかも。2022/03/27

月華

8
図書館 新聞で見て、借りてみました。歴史や現在の巡礼の様子など、15講。興味のあるものは読みやすかったけれど、そうではないものは流し読みになりました。2020/07/01

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