ちくま新書<br> 令和日本の敗戦 ──虚構の経済と蹂躙の政治を暴く

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ちくま新書
令和日本の敗戦 ──虚構の経済と蹂躙の政治を暴く

  • 著者名:田崎基【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2020/04発売)
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内容説明

崩壊寸前のこの国は、やがて「令和の敗戦」を迎える……異次元政策のせいで循環せずに停滞し続ける景気、成長なき経済状況のもと疲弊しきった「働く人」と拡大する格差、隠蔽と欺瞞が常態化し民主主義を蹂躙する政権の振る舞い。2013年以来「この道しかない」と各政策を掲げ続ける安倍晋三首相が、戦後最長の期間政権の座に留まったことの末路だ。戦わずして「敗戦する国」日本の正体を、経済・社会・政治の各現場を取材した気鋭の記者が炙り出す。

目次

はじめに第一章 転落と疲弊の現場1 超長時間労働がもたらすもの
残業五〇〇時間
「働く」ことの意味
低迷の引き金
三つ掛け持ち
「悪ふざけ動画」は私たちに何を問うのか
「おかしい」ことを「おかしい」と思えなくなる
不安定な労働者の「砦」
2 働き方改革という名の「生産性」至上主義
「隠れ残業」と偽りの「生産性」
いいものを生めない社会
残業時間だけ減らせばいいのか?
人手不足が追い打ちをかける
「残業減」圧力は「賃下げ」である
3 人口減少時代の企業生存条件
人手不足と働き方改革の必然
新卒採用二〇二一年問題
魅力ある労働環境がなければ生き残れない
4 奈落へと突き進んだ平成経済
「この国では食えない」──製造業の凋落
工場はショッピングモールに変貌
製造業は〝焼き畑農業〟
奈落へと向かう経済
転落と低迷の三〇年
偽りの景気対策、膨らむ財政赤字
一九九七年を境に、世界の潮流に乗れなくなった
耕し、種を蒔くとき
第二章 虚構のアベノミクス1 牽引するはずの不動産・建設業界が苦しい
不動産が売れない
六〇〇〇万円台マンション、即日完売
マンション販売戸数が物語るもの
噂の物件
建設業界への連鎖
建設業界にも三重苦
スルガ銀行問題とアベノミクスは表裏一体
「金が借りやすくなっただけ」の経済に底力はない
2 金融機関が麻痺している
中小企業の息の根
増え始めた倒産件数
「リスケ後倒産」と地銀の構図
生かすも殺すも金融庁
人手不足倒産
人材難の実態
守りに入った地銀
低金利政策が地銀を蝕む
加速する輸出入額の減少
日中貿易戦争に み込まれる
トドメとしての消費増税
3 異次元政策の果実は不ま味ずすぎる
景気は循環せず、停滞した
金を預けて、金を取られる。それが「異次元緩和」
毒ニンジンを食らう
「成長はない」ことを前提とした議論
それでも強気な日銀総裁
異次元の常態化と、見えない出口
シナリオの逆をいく「官製景気」
4 粉飾体質──意図的な「偽装」暴かれる
意図的かつ短絡的操作
「異次元」の内実
空論が描く砂上の景気
異常事態の常態化
迷走の政策は奈落へ
「数字よりも感性」と喝破する財務相
虚構の塗り重ね
経済を権力の源泉に
国家による再びの誤導
第三章 左右を騙す「改憲」案1 「変わらない」という 
邪知透ける改憲案
「九条」と「自衛隊」の論理を知り尽くしているはずの自民党が……
うごめく右派
過半数の賛成を狙った浅薄な戦略
「お父さん、憲法違反なの?」
2 揺るがぬ「極右」内閣
「日本会議内閣」
極右政権からの発信
「壊憲」に等しい
総理の手駒
3 「変える」という 
改憲発議「三分の二」の攻防
熟さない具体論
「議論をしない」のは、どちらか?
「一〇〇〇万人賛同署名」の行方
国民投票を見据えた周到な戦略
権力基盤の維持
4 「平和の国体」どこへ
天皇が求めた「国民の理解」
反省と低頭の旅
「平和」の裏側に
集団的自衛権という一線を突破
軍事国家への道
5  がれた保守の仮面
皇室への屈折した敬愛
不誠実な保守運動
姑息な改憲案
「改憲」という砦さえ落とせれば
論理の逆進
違憲状態を自称した初の首相
平和の本質を問う
第四章 国家の末期1 政権の膿うみを曝さらけ出した「桜を見る会」
隠蔽してやり過ごす
不条理を「閣議決定」する裏ワザ
黙殺してやり過ごす
2 圧政の現場、辺野古から
権力者による暴力の形
「大変なことになるよ」
異国ではなくこの国で起きていること
「言うことを聞け」「諦めろ」の矛先
記者でなければ?
 き出しの国家権力
沖縄の不条理
「属国」扱い
本土の人こそ、「現場を見て」
蹂躙の歴史
「沖縄だけ、戦争が終わっていない」
本土からの「蔑視」
終章 令和日本の「焦土」1 戦わずして負ける国
「一人負け国家」
戦争のコスト
経済的相互依存の世界
2 焦土と化す列島
「超高齢化社会」=「大量孤独死」時代
日本全国「うばすて山」
崩壊する「公」
3 なぜ、ここまで堕ちたのか
なぜアベノミクスは成功しなかったのか
「原発維持」という経済的武装解除
分配を求める
付録 識者インタビュー1 白井聡さん──「国体」から見えるもの
着想の原点
フルモデルチェンジ
権威と権力の分離
国民統合の喪失
仰ぎみる「米国」
戦前史、戦後史の三段階
家族国家観が内包する矛盾
権利に冷たい社会
覇権の移動と、価値なき国民の末路
2 井手英策さん──「分断」なくす再分配を
自殺率が下がった理由
経済成長はもうない
痛みと喜び、分かち合う
格差を縮め希望の灯を
誰もが堂々と生きる
3 木村草太さん──「自衛隊」明記提案の乱暴さ
集団的自衛権という難問
対話能力の欠如
国民に選択肢を
想像以上に危険
おわりに──この国は「敗戦」へと向かっている参考文献