「小児性愛」という病――それは、愛ではない

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「小児性愛」という病――それは、愛ではない

  • 著者名:斉藤章佳【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • ブックマン社(2020/03発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784893089267

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内容説明

「そりゃセックスもしましたよ。恋人同士ですもん。それを周りの人たちが、ぶち壊したんです。 私がロリコンで、Yちゃんは被害者だといって引き離したんです。
私はそんな人達によって犯罪者にさせられました。おかしいのはどっちだっていいたいです…」
これは、12歳の少女に性加害をした49歳の男性のケースです。
女子児童の側には、交際しているという認識はありません。怒ると声を荒げる男が怖くて、言われるがままになっていたのだとわかっています。
彼がしていたのは、明らかに加害行為です。子どもに肉体的・精神的に後々まで残る多大なダメージを与えました。
しかし、彼が見ていたのは、「子どもから求めていた」「子どもはよろこんでいた」という光景。事実とは、正反対です。
クリニックで子どもの性加害経験者からヒアリングしていると、これは性加害をする者なら誰もが持っている、特有の思考の歪みだと実感します。
彼らの問題行動の背景には、精神疾患があります。日本語では小児性愛障害、英語ではPedophilic Disorder, Pedophiliaといわれ、この「ペドフィリア」という語のほうが馴染みがある人もいるでしょう。
私は、150名を超える子どもへの性加害者らと関わってきて、彼らも私達と変わらない、同じ“人間”だと考えるに至りました。決して性欲が抑えられないモンスターではありません。
子どもへの性被害、つまり小児性愛障害は、社会のなかで学習された行動です。大げさかもしれませんが、いまの日本社会が「ペドフィリア」を生み出し続けているといっても過言ではありません。
本書より抜粋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

akiᵕ̈

35
様々なアディクション問題に携わってきている著者が実際に接した人たちの言い分や、巻末には実際起きた事件がズラリと記載されていました。読んで気持ちの良いものではありませんが、物事の見方、考え方、捉え方といった思考の歪みが、絶望的な程に隔たりがある人たち。怪しい人には気をつけてと言うが、見た目はごく普通、線が細く柔和なイメージを持つ人をどう判断したら良いのか子供には到底無理な話。“どんな環境で育てられるか”がとても重大な事であるということを考えさせられる。2020/04/01

BUBI

32
臨床の立場から、子供への性暴力がなぜ起こるのか、しっかりと分析された本です。衝撃的なのは、子供に性的な欲望を覚え、強要し、それが発覚しても「相手が誘ってきた」「愛し合っていたのに何が悪い」と自分のしたことを受け入れられない彼らが、ごく普通の人間であること。自分の欲望は受け入れられるべきであり、受け入れないのは世の中が悪いのであって、自分がしたことは正当であると彼らは信じていますが、そういう人間を生み出しているのは紛れもなくこの日本社会であること。女性も子供も、男性を癒すために存在しているんじゃないのにね。2020/10/27

ochatomo

27
人は間違いを犯すものであるが、幼女への性暴力だけは1度でも許すことができないと感じてきた(刑務所の中でも蔑まれるそう) 副題がつけられており題名は「小児性暴力」が適切と思う “はじめに”で『社会の中で学習された行動』の指摘に驚愕!! 前半は加害者の言い分が続いて気分が悪かったが、後半は再犯防止策 『日本は女性にかわいさと未熟さを求める社会であり』『男性が優位でなければならないとする社会が認知の歪みを強化し、性暴力を助長している』 『社会が変わらない限り、子どもは守れない』 2019刊2020/07/01

小鈴

25
この本は家族「外」の小児への性加害者(以下ペド)の再犯を抑止するための依存症治療を行う社会福祉士が、治療に繋がった加害者の実態をまとめた本。読んでいて吐きそうになりましたが彼らは社会に帰ってくる。性犯罪者は再犯率が高い。まずは目をそらさずありのままに知ること。優しい見た目、いじめられっ子、子供に関わる職につきやすい。ペドのきっかけはストレスに晒されたときにたまたま見たロリ雑誌でパーっと拓かれる。パンドラの箱をあける。ペドは出所後は病院とつながり連絡をとり続けるシステムが必要では。2020/01/29

澤水月

20
十歳余りの女児が本気で「感じ」「嬌声」上げたと信じる人々…加害者側の「認知の歪み」をクリニックに繋がった者の証言から綴り、せめて実社会に害を及ぼさぬよう「やめ続け」させようとする著者。薬物、酒と異なりとにかく止めねば被害者が増えるばかりで治療という概念を危急に広める必要ある(唸るしかないことにGPS装着、前歴知らせるミーガン法共に公費多くかかる割に再犯率低下は数%という資料もあるという)。男児標的も多い。当事者証言は半p、数行読んでも吐き気がするが貴重な証言ではある。ペドはム所でも最底辺と蔑まれ(コメ続2020/01/26

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