感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小太郎
12
太平洋戦争の空戦物でもかなりマニアックな内容でした。あまり取り上げられない二式水戦、強風、鍾馗、彩雲、雷電、飛燕の本土防空戦(戦果はほとんど装備を外した体当たりだったんだ)の活躍など、戦況が進みかなり困難な状況で強大なアメリカ機に対応した日本軍用機の実態が克明に描かれていました。2019/06/24
印度 洋一郎
5
日本軍の航空隊に関する研究・取材では定評のある著者による、ノンフィクション短編集。ニューギニアの陸軍戦闘機隊、ラバウルの零戦隊の活躍などのメジャーな題材もあるが、むしろ水上戦闘機「強風」や海軍最後の偵察機「彩雲」といったマイナー機、陸軍の教育と戦闘を兼務した「練成飛行隊」などに興味を惹かれた。なかなか陽の当らない分野にも目配りする著者の見識の広さが伺える。重傷を負って復帰したパイロットの記録である「受傷をこえて」は、微妙な問題を扱った異色作だが強い読後感があった。2011/09/19
nizi
4
筆者が記した空戦録をまとめたもの。米軍側の記録にもあたっており、「こう言われているがアメリカ側だとこう」みたいな一文も添えられている。それにしても、出撃は勇ましいのに故障で引き返す機体が多い。どこの国も似たようなものではあるのだが。2025/02/06
半木 糺
2
著者の取材能力は実に見事である。剣部隊や飛燕を装備した小林戦闘機隊といったメジャー所はもちろん、高性能艦上偵察機「彩雲」の活躍を描く「偵察機は木更津を立つ」や時代遅れとなった水戦の苦闘を描く「去りゆく水戦」なども非常に読み応えがある作品となっている。特に戦傷を負ったパイロットが再び戦線復帰する姿を描いた「受傷をこえて」は出色の出来である。大きな傷を負いながらも「後悔は無い」と著者のインタビューに答える元パイロットたちの姿は、戦果は少なかったかもしれないが、まぎれもない「空の猛者」としての輝きを放っている。2004/04/13
ねんこさん
0
244戦隊や剣部隊以外は水戦や偵察機など割とマニアックな題材の記事が多い。大戦末期の話を集めているので本土防空戦に関心のある人向けかな。2009/11/16
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