内容説明
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自殺者だけが集まる世界でかつての恋人を探すハイムは「意味のない奇跡」に満ちたサマーキャンプにたどり着く。世界40ヶ国以上で翻訳される人気作家の代表作のグラフィックノベル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
100
ケレットの作品の中でも特にユニークで好きな話の「クネレルのサマーキャンプ」のグラフィックノベル版。海外の漫画はほとんど読んだことがないが、洗練された画風で原作の文体とも合っていて満足。ハードボイルド感も増していた。描かれるのは自殺者だけが集まる世界。といってもその世界は普通の現世とそっくりだ。働いたり、友人とバーで語らったり。でも一度訳ありでこの世とケリをつけたのに恋愛やら何やらで日々の何気ない悩みは尽きない。結局、人は人であるようは変わらないものだということか。終わり方も現実的で切ない。2020/04/10
南雲吾朗
57
自殺後も生きるため(?)の生活、苦悩が続く…。なかなかユニークだが、それはそれで大変なんだなぁ。2021/04/03
∃.狂茶党
17
イスラエルは、バンド・デシネの文化圏なのかな。 アメリカのオルタナティブ・コミックを連想するダウナーな奇跡の話。 死後の世界のイメージはユダヤ教の影響下にあると思われるが、キリスト教的なそれと特に違いは見出せない。 作中でアラブ人たちが出てくるし、天使に触れられるが、この死後の世界は明確な宗教性はないのかも。 自殺者だけが集まる世界ってのは地獄の一種だろうと思う。 人口過多になっていないらしいところをみると、中有なのかもしれない。2023/07/09
Ecriture
3
自殺した者のみが集まる死後の世界で、各々の自殺にまつわる傷を保持した人々が普通の生活を営んでいる。生きていても死んでいても同じ、であるならば、この物語の舞台がそのまま作中で言及されるイスラエルの首都テルアビブでもあるような感覚を抱かせる。小さな奇跡を起こしたいと願いながら自分勝手にグロテスクに暮らす人々は、読者たちともそれほど離れていないのではないか。2024/10/14
かさい
3
自殺者たちのその後の世界で起きるハードボイルド調の物語。自殺した大富豪の豪邸の地下に対空ミサイル用の防空壕がある、ってのがアイロニックでしたね。2019/12/06




