内容説明
時は流れて江戸から明治へ。夜の銀座で、とんびを羽織った男が人捜しをしていた。男の名は、仁吉。今は京橋と名乗っている。そして捜しているのは、若だんな!? 手がかりを求めて訪ねた新聞社で突如鳴り響く銃声! 事件に巻き込まれた仁吉の運命は――表題作「えどさがし」のほか、お馴染みの登場人物が大活躍する全五編。「しゃばけ」シリーズ初の外伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ううち
307
短編集でした。若だんなに出会う前の佐助のお話と、仁吉がメインの表題作が良かったです。若だんなを待つ妖たちが健気。『たちまちづき』のご主人が格好良かった。はやく若だんなに会えるといいな。キュートな鳴家に癒されます。2016/04/29
ちはや@灯れ松明の火
222
約束をおぼえてるからさがしてる、あなたのそばがわたしの居場所。いつでもひとりはいつものこと、でもいつまでもひとりはつらい。判じ絵に呼び招かれて、普請工事に追い立てられて、辿り着いた場所は居心地がよくて。あなたがいればひとりじゃない。あれやこれやと口出しされて、寝たり起きたりを繰り返して、自分の場所がなくなりそうで。あなたのいないせかいはつらい。明治に江戸が押し流されても、アーク灯の影で呼び続ける。いのちの定めが終わっても、月が満ちればいつかは会える。いつまでだって待っている、花のお江戸はあなたのとなり。 2015/02/11
文庫フリーク@灯れ松明の火
218
昨年逝去された北原亜以子さん・慶次郎縁側日記シリーズに、その名もズバリ『脇役』という作品がある。佐助や仁吉・鳴家を脇役というには、いささか抵抗があるが、若だんな抜きで脇役を主役に据えた短編5作。「五百年の判じ絵」では「産土」の佐助読み返し、「えどさがし」では「仁吉の思い人」読み返す。さて明治の世に転生した若だんなは健康なのか病弱なのか(笑)北原さん『脇役』で一番印象深かったのは「蝮」の綽名持つ阿漕な岡っ引き・吉次の隠れた一面。平岩弓枝さん『御宿かわせみ』でも岡っ引き「長助の女房」は佳品でした。なので私の→2014/12/24
紫綺
185
死してなお待ち人来る・・・。「しゃばけシリーズ」初の外伝で、短編が五編。個性的なキャラが多いから、スピンオフも面白い。「親分のおかみさん」はホロリときて好き。外伝でも妖ミステリーここに健在。2015/09/23
baba
171
しゃばけシリーズ番外編。弘法大師空海が犬神を描いてこの世に生まれてから佐助が若旦那に巡り合うまで、長い時を経たのが伝わる。それに比べると人の一生などあっという間、歴史の中では点にもならない事を感じさせてくれる。江戸から明治になって、生まれ変わった若旦那を探す仁吉達、人でなくても生きる希望は大切。2015/01/29
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