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内容説明
当麻(たいま)曼荼羅から発して浄瑠璃などに変奏され、薬まで生み出した中将姫の物語。そこには人々のどんな信仰や営みが息づいているか。名所化した説話の里の様態から読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空満
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中将姫の説話はよく知られているが、このファンタジーの魅力がもうひとつ分からなかった。説話の重要な舞台の一つである「ひばり山」は三か所の伝承地があって、著者はそれぞれの土地に伝わった縁起・絵巻・遺物・旧跡などの内容と成り立ちを探求し、説話の多様さとその担い手を明らかにする。読みながら、中将姫とは薄幸の少女というよりも、この世の苦を引き受けて逆転させる聖女のイメージが浮かんできた。もちろんフイックションであるが、日本の仏教史ではこのような存在は稀なのではないか。この説話がすこし身近に感じられるようになった。2023/11/27
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