内容説明
川柳と二人三脚の27年、80余年の人生を1句1句、丁寧に形にしてきた著者。掲載された333句は、著者みずから全国各地の大会や所属結社の入選句、約4,000句超から時間をかけて選び抜いた入魂の句が揃う。その内容は、ふるさと岩手への想い、自然の賞賛、愛する家族への想い、半生を彩ってきた仕事への想い、人生への夢や希望のことなどバラエティに富み、まさに著者の「生きてきた証」と呼べる作品群である。「第一章 妻と薔薇」「第二章 旅好きの雲」「第三章 夢紀行」の3章構成。
持て成しも気兼ねもしない里の風
口下手も身の上話なら聞ける
妻と薔薇どちらも二番にはできぬ
大切な夫に毒味してもらう
敗者でも勝者でもなく職終える
妻のこと抜きに自分史綴れない
喝采を浴びた記憶のない軍手
人生のゲーム一点差がつづく
どの顔も不真面目そうでホッとする
この空の続きに捨てた里がある