幻冬舎新書<br> 萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命

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幻冬舎新書
萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命

  • 著者名:中川右介【著】
  • 価格 ¥982(本体¥893)
  • 幻冬舎(2020/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344985865

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内容説明

一九七〇年。学生運動が終焉へと向かうなか、少女マンガの変革を目指した女性たちが東京練馬区の二軒長屋にいた。中心は萩尾望都と竹宮惠子。後に「大泉サロン」と呼ばれ、マンガ家のタマゴたちが集ったこの場所で、二人は互いに刺激を受け合い、これまでタブーとされた少年愛やSFといった分野で先鋭的な作品を次々生み出し、少女に熱く支持される。だがその軌跡は決して平坦ではなかった――。『ポーの一族』『風と木の詩』等、名作誕生のプロセスを追いながら、二人の苦悩と友情、瓦解のドラマを描く意欲作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

75
ミュージカル版『ポーの一族』を観劇したが、舞台上のエドガーとアランが『風と木の詩』のジルベールとセルジュに見えてくる錯覚を覚えた。互いに相手について言及しないのに、その代表作には深い底でのつながりを感じる。トキワ荘以上に日本漫画史にかつてない大変革をもたらした二人がいかにして出会い、大泉サロンで化学反応のような影響を与え合ってきたのかを対比列伝風に描き出していて面白い。読者は漫画家の生んだ作品しか知らないが、その裏でいかに迷い苦闘してきたか教えてくれる。「花の24年組」は、文字通りの革命を成し遂げたのだ。2021/04/01

ぐうぐう

43
膨大な文献を丁寧に調査、精査し、可能な限り事実にこだわり、歴史を再現しようとする(あくまで再現であり、評伝という視点で読むと著者の意図を履き違えてしまう)のが中川右介のいつもの手法で、その方法論で書かれたのが『手塚治虫とトキワ荘』だった。また、中川のもうひとつの手法として、ライバル関係の二人を並べ、時系列で比較していくというのがある(『十一代目團十郎と六代目歌右衛門』や『松竹と東宝』等がそう)が、そのふたつの手法を駆使して書いたのが本書だ。(つづく)2020/04/15

阿部義彦

40
それぞれが影響を与えながら、歩んできた筋道が詳しく語られます。それにしても、手塚治虫と石森章太郎は二人とも師と仰いでますね。後輩の悩みを聞いたり、住まいを手配したり、本気で後輩を育てようとしてた事がわかり、胸が熱くなります。また、キーパーソンとして、増山法恵さんは、かなり大きい存在でしたね。彼女のことはリアルタイムでは知らなかったので、革命の名のもとになった重要人物で彼女なしには、このふたりがそもそも一緒に暮らす事もなかったのかなあ?とも思えます。竹宮さんが一方的に引け目を感じていた事は知りませんでした。2020/05/03

kei-zu

39
両作家とも、時代的には自分よりちょっと上の世代で、少女マンガであったこともあって、代表作のいくつか以外は読んでいない。 それでも、二入が葛藤の中で時代を切り開いていく様子と、並行して描かれる当時の少年マンガの世相が楽しく、あっと言う間に読了。 創造者の葛藤は読者には想像もつかないが、切り拓かれて来た時代の蓄積の上に今の私たちはあるのだといささか感無量。2021/02/28

かんけー

36
読了♪その昔、女性版トキワ荘と唄われた大泉サロンで二人の才能が邂逅し花開く!萩尾望都と竹宮恵子、今やレジェンドとも言われる二人の女性作家が如何にして当時、まだ低く見られていた少女マンガを現在の地位まで昇華させたのか?本書は禁断と未知の扉を開いた(帯より)激闘の記録書でもある。仔細は読んで貰えば分かること..自分は「百億の昼と千億の夜」で萩尾望都さんを知り衝撃を受け、竹宮恵子さんの「ファラオの墓」にも度肝をを抜かれ?「風と木の詩」で更に驚かされた。「スターレッド」に涙し、「11人いる!」で構成の妙に感嘆!→2020/08/28

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