内容説明
二宮金次郎(尊徳)。その存在を知ってはいても、いったい何をし、何を語った人か、いまや知る人は少ないだろう。しかし、二宮金次郎こそ、ある意味では日本の道徳の結晶ともいうべき存在なのである。戦時中の日本の修身の教科書について、戦後に厳密な調査を行った占領軍でさえ、二宮金次郎は「中庸、節倹、勤勉の精神に富んだ日本最初の民主主義者」だと評価した。しかし、それすら今では忘れられている。時には厳しい父の言葉のように、時にはやさしい祖父の言葉のように心にしみこんでくる珠玉の教えの数々。これを読み進めるうちに、われわれ日本人がしっかりと伝えてきた人の生きるべき道を、自分の胸に響かせることができるはずである。こんな生きる智恵と滋味にあふれた話を読みたかった。こういう話を語り継ぎたかった。そう思える一冊である。ともすれば現代の我々が忘れてしまいがちな、本物の処世訓が、いま読みやすい現代語新訳でよみがえる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおにし
9
二宮翁夜話は大著なうえに原文では読めないので、本書はちょうどよいボリュームに抜粋してあり、現代語訳も読みやすいところがよい。この本をパラパラめくって目に止まった文章を読んいるうちに、尊徳の教えが自然と身についてくると思う。二宮翁夜話はすでに持っていたので図書館から借りたのだが、ぜひ座右に置きたくなった。しかし残念なことにすでに絶版のようだ。PHP研究所さんよ、文庫から出してくれないかなあ。2012/10/06
残心
1
難しくて深い内容が具体的でわかりやすく書かれている。 現代語抄訳ということだが、あまりにもすらっとわかりやすく書かれているので、逆にすぅっと頭から抜けていくようで、記憶に残らないような気がした。 繰り返し読むために、文庫にして出してほしい。2017/05/17
ATS
1
★★★★☆やや晦渋な部分もあり、一回読んだだけではなかなか分からないところもあるが、道を探求していくには非常に良書であるとおもった。2015/10/31
こさと
0
地元図書館の本。 小田原好きなら読まねばと思い。 ちなみに、私の母校には二宮金次郎像はありません。2025/07/23