内容説明
多様な性的アイデンティティを持つ女たちが集う二丁目のバー「ポラリス」。気鋭の台湾人作家が送る、国も歴史も超えて思い合う気持ちが繋がる7つの恋の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
114
モノクロ写真の装丁がいい感じ。落ち着いた感じだが得体の知れない雰囲気もある。読んでみると性的マイノリティの単語が正体不明のように並んでいた。でも多様なセクシュアリティを持つ日中台の女性たちのリアルな物語に引き込まれていく。彼女たちが自分でも説明できない正直な気持ちを純粋に模索する姿に惹かれたから。彼女らの苦しみはまちまちで単純にカテゴライズなんてされない。だけど夏子の「女の子でしょ」の台詞がストンと落ちた。私は彼女たちの心情の全てを理解できていないと思う。それでも彼女らの物語は心に残したいと思った。2020/03/13
ゆのん
83
【NetGalley】連作短編。新宿2丁目にある女性専用店『ポラリス』に集う女性達の物語。『女性』と言っても『ポラリス』に集う女性達には様々な背景や過去がある。レズビアンやアセクシャル、ノンセクシャルやバイセクシャルなど、この本で初めて知った『性別』もあった。世の中は当たり前に『男』と『女』に分かれている性別だがその性別から外れてしまう人達の肉体的、精神的苦痛は計り知れないものがある。『差別』というものは自分とは違うものを異質とみなす訳だがその残酷さは読んでいて苦しくなる。602020/03/11
そら
77
新宿二丁目にある「ポラリス」というバーを舞台に、性的ジェンダーの様々な認識についての物語たち。生まれ持った染色体の性とは異なる認識を持っていたり、性的な感情がない人だったり、今は様々なカテゴライズでそれぞれにカタカナの名前がつけられている。人間の個性はそれぞれは違うのだが、名前がつけられることで存在を認められたと意識できるというのはなるほどと思った。あとがきまでが物語の一端で、事実に基づく歴史や人物も登場する。新宿二丁目がそのような歴史で今に至るのは興味深かった。私はどこにカテゴライズされるのだろう?2022/08/29
ネギっ子gen
69
【男性としての特権を放棄し、二級市民になることを心から願っているなら、私達の世界へようこそ】多様な性的アイデンティティを持つ女たちが集う新宿二丁目のバー「ポラリス」を舞台にした、7つの物語。2020年刊。この作家の作品をコンプリートしよう!と改めて思わされるほど、切なく心が揺さぶられる小説だった。「あとがき」で、<90年代前半、バブル崩壊直後の二丁目の雰囲気は、想像だけではなかなか書けないものだった。この小説を書くために、/先達に取材したり、二丁目の歴史に関する書籍や資料を読んだりする必要があった>と。⇒2025/12/17
いっち
65
ポラリスとは新宿二丁目にある女性専用のバー。バーの店主、バイト、客の7人が語り手となる。あとがきに作者自身が登場し、ポラリスを訪れる。実際に存在するバーなんだと思ったが、「このあとがきも小説の一部です」という作者の言葉が気になり、調べたら架空の場所だった。女性専用のバーなのに、ポラリスに行けなくて残念だと思う一方で、魅力的な場を創造する作者の力に圧倒された。さらに、「同じ言葉が後になって別の意味を持ち合わせてくること」、「遺伝子を残すことへの考え方」など、これを書かなければならないという作者の熱を感じた。2021/06/02
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