内容説明
理想に胸を焦がした権力者の「焦燥」と「妄想」――既得権益に淫(いん)する輩(やから)と国内で対峙(たいじ)し、外交では唐・新羅の侵略を畏(おそ)れる。いったい、真の敵は誰なのか? 人望高まる弟に嫉妬し、妹に肉欲を覚える権力者の胸中には、孤独感と猜疑心が膨らんでいった。そして最大の理解者・中臣鎌足がこの世を去った後、改新の英雄の体にも異変が……。歴史巨編、ついに終末へ! <上下巻>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まみこ
13
とても面白かった...!権力を専横する蘇我氏から大王家に権力を奪回したのは有名だが、その後にも余りに多くの血が流れていた。鎌足の死後、そのあまりの喪失感に、まさに2人は一蓮托生の主従関係だったんだなと強く感じた。黒岩重吾氏の古代小説はライフワーク的に読破するつもりなので、来年からも定期的に読んでいきたい。分かりにくい朝鮮半島の動きがかなり詳細に書かれているので、とても分かりやすかった。2023/12/15
路地裏のオヤジ
10
中大兄皇子はかなりの人を殺めて王位についたことを改めて知り、イメージが変わった。しかし、子の大友皇子に王位を継がせることができなかった。死後のことまでは思うようにはできなかった。この後の壬申の乱などを興亡を読んでみたい!2020/02/22
RASCAL
10
乙巳の変以降の、中大兄皇子・天智天皇の波乱の後半生。上巻同様中大兄の一人称で語られる型破りの歴史小説。日本の原型である律令国家への長く険しい道、645年のクーデター後、一気に大化の改新が進んだように教科書には書かれていたが、改革とはそんな簡単なものではない。俺様キャラで改革を推し進めた中大兄の生涯の、善悪を突き抜けた信念に感銘、でも最後に我が子、大友皇子に対する愛ゆえに判断をまちがっちゃったかな。2013/05/26
秋乃みかく
8
★★★★☆ 再読。面白かった♪中大兄皇子がなぜ長い間皇太子のままでいたのか?この本を読んで納得。そんな中大兄を支えた鎌足は、中大兄にとってなくてはならない存在だったんだな~。感情が激しかった中大兄。最後に弟大海人皇子との溝ができてしまったのはその後のことを考えると痛かったですよね…(><)有間皇子の件も有間ファン(←ワタクシ)としては読んでいて切なかったよ…(T-T)この作品は中大兄の一人称で書かれていたので中大兄の人となりが理解しやすく読みやすかったと思う。続いて「天の川の太陽」を読みます。2014/11/06
BIN
6
蘇我を打倒してから死ぬまで。前半をだいぶ前に読んだのでだいぶ忘れていた。中臣鎌足とはいいコンビで、いい参謀役でした。鎌足いなかったら乙巳の変を含めて実現できなかったことは多かっただろうと思える。鎌足抜きだと激情家で嫉妬深い人間にしか思えない。弟の額田王をあっさり奪っているが、「茜に燃ゆ」の方に書いているのかな(おそらく読まないが)。白村江の戦いも結構あっさりめでした。いろいろと背景や経緯がわかっていい作品でした。2024/04/25
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