内容説明
高校1年生のソラは、天体観測の途中で数多の流れ星とともに落下する不思議な物体を目撃する。駆けつけると、そこには緑色の髪をした女の子が立っていた。ヒカリと名乗る少女はソラの高校に転入し、すぐに学園のアイドルとなっていく。ところが、ある日二人は謎の組織に誘拐されて……。ソラとヒカリ、愛し合う二人の世界は、学校を、日本を、やがて地球を、宇宙を巻き込んでいく──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
彩灯尋
11
恋愛は罪悪の最大形。心を乱した罪を共に生きていくという価値観が好き。イケメン5人衆がヒカリを落とそうと頑張っていたまさに竹取!なところがとても面白くてそのままズブズブとのめり込んでいった。生きているということの価値、今存在している刹那の感覚…その一点に意味を見いだす。ーーきれいな言葉だと思っていたものが、作者の背景を知ってしまうととんでもない光を放ってきて泣いてしまう。きっと作者もヒカリと同じように、命があることに意味があったんだな。結末も未来が見えてとても好きだった。面白かった。2021/08/21
羊山羊
9
久々にアオハルさせられた1冊だ。むせ返るようなセカイ系ジュブナイルの世界にヒロイン美空光の持ついくつもの個性が花開いていく。美空光は異星人であり、他者の感情を自在に操れる。この感受性のズレがセカイを大きく揺り動かす中、美空光に振り回される主人公賢木空の生々しいドロドロの感情がまぶしくて、余りにも青春なのでした。告白シーンの重さは必見だ!2022/01/30
ようぜん
6
SF×竹取物語。天体観測が趣味のソラが、空から降ってきたヒカリと出会う、ボーイ・ミーツ・ガール。羽衣伝承と竹取物語をSFで説明しているところなんかは、都市伝説じみてて面白かったです。また、ヒカリが自分が知っているヒロインとは違った弱々しさを見せるので、新鮮でとても魅力的でした。一点気になるのが、どこか淡々とした文体。なんか滑らかではない感じなんですよね。そうだとしても、ちゃんと最後までハラハラさせる展開で充分楽しめたんですけどね。2021/12/22
山のトンネル
4
気にはなるけど他にも読む本が…2022/10/13
大輔
3
偶然出会った、少年と少女の4ヶ月弱の間の物語。 近未来的なかぐや姫のような話だなと思った印象。 最初はありきたりな学園ストーリーになるのかな?と思っていたのですが、読み進めるうちに、だんたんと物語に引き込まれていきました。 今読み終えたばかりで、このなんとも言えない感情をどう文字に書けば良いのか解りませんが。 2人の未来をちょっとだけ想像して楽しむことが出来るようなそんな終わり方でした。 数日後、数時間後、数秒後、何が起こるか楽しくなるようなそんな気持ちになりつつ、しばらくは結末を妄想したいと思います。2020/06/07