内容説明
警視庁捜査一課で継続捜査を担当する鷺沼友哉は14年前に起きた12億円を搾取した男が失踪後、死体となって発見された未解決事件の捜査に乗り出すが難航する。真相解明を拒むかのような圧力。それは一体誰が? 神奈川県警の“不良刑事”宮野裕之とともに真実を抉り出す大ヒット警察小説、伝説のシリーズ第一弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mayumi
17
14年前、12億を搾取した詐欺師の男が変死した。犯人は不明で、12億円の行方もわかっていない。警視庁捜査一課の鷺沼はその事件の継続捜査をしていたが、そんな彼に神奈川県警の宮野刑事が接触してくる…というストーリー。タイトルの「越境捜査」。文字通り警視庁と神奈川県警を跨いだ事件だけれど、それとは別に鷺沼の刑事としての一線を超えたことを意味している。警察内部の腐敗を描いたものでは佐々木譲の道警シリーズがあるけれど、あれはまだ警察の矜持を保っている刑事達がいる。今作の鷺沼は踏み越えてしまっていて正直モヤモヤする。2023/01/22
びりけん
2
☆4つ。やや古い作品であるが、スリリングに読了。小説っていいよね。2020/04/25
はじめ
1
本が分厚いと、余計な描写が多いのかな?飽きないかな?冗長なのでは?と、読む前から少し心配してしまうんだけど、全部杞憂だったわ。登場人物多いけど混乱することもなく、途中で眠くなることもなく、さくさく読んでしまった。警官が道を外れたことをするのは賛否両論ありそうだけど、個人的にはだんだんと「もらっちまえ!」な気分になった笑2024/04/14
ヨコケイ
1
迷宮入り事案を継続捜査する警視庁刑事が時効間近の詐欺事件に関わるなり襲撃に遭う。奮起する彼に借金まみれの神奈川県警刑事が接触し同道する。消えた札束…隠蔽体質…派閥争いなど警察組織の暗部が剔抉される。背景といい飄々とした県警刑事のキャラといい一寸『クロコーチ』を思わせる。稲葉事件が例だがどんな組織にも膿はあり単純に全部が白(逆に黒)とは言えなかろう。ただ警察みたいな権力機構が腐ると弊害が大きすぎる。寧ろ「大方は真面目だから文句言うな」で済ませる人間が恐ろしい。〈誰が見張りを見張るのか〉という当たり前の話。2023/08/20
もかすけ
1
警察内部のドタバタと思いきや、最後は思いっきりうらやましい結末に。 楽しめました。2022/11/13