ヘッドフォン・ガール

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ヘッドフォン・ガール

  • ISBN:9784865591293

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内容説明

20世紀の音楽史への深い造詣をもとにしながら、
謎をはらんだタイムトラベル・ストーリーの中に、
架空の音楽やミュージシャンたちの日常をリアルに描きこんでいく。
SF? ファンタジー? 音楽小説? ジャンルを軽やかに超えながら、
静かな感動を呼ぶラストまで一気に読ませる上質のエンタテインメント!

――――行方不明になった伯母の家で、カズは祖父の遺品達を発見する。
古いスライド映写機を点けると、カズは近未来の地下鉄車内に飛んでいた。
しかも、ヘッドフォンで音楽を聞いている女性の身体の中に。
目の前の光景は本当の未来なのか?
好奇心に駆られたカズはタイムスリップを繰り返していく。
伯母の教え子だったヴァイオリン奏者のリキは親友に励まされながら、
自分自身の音楽を生み出そうとしていた。
ドイツからやってきた伝説のロック・ミュージシャン、ジーモン、
彼の祖父が遺したナチス時代のリボン・マイク、
伯母が愛したベヒシュタインのピアノ、京都の老技師――
数十年の時を超える因縁が人々を結びつける。
そして、生れ落ちる一枚のアルバム……

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かっぱ

5
タイムトラベルというには少し違うかもしれない。主役は時間ではなく、楽器(マイクも含めて)な気がする。あるいは、古い機械のもつ魔力のようなものかもしれない。2020/11/11

Decoy

3
音楽小説にして、青春小説にして、SF小説。設定や固有名詞の使い方が非常に効果的。とても気持ちのよい物語で、読み終えてしまうのが残念でたまらなかった!2016/05/11

玉葱

3
音楽の中でも、録音機器、楽器そのものに視点をあてた音楽小説。古い映写機によって自分を未来に映すカズマと、自身の音楽をテープレコーダーによって(過去へと)巻き戻すリキとの交流は、美しく繊細で、非常に悲しいものでした。2016/03/17

りゃーん

2
思わぬ拾いもののように、面白い本に当たるのは嬉しいものだ。 ジャンル内のせめぎ合いを知り、そこから逆算して傑作を当てるのも面白いが、内容は全然判らず、なんとなくタイトルや装丁に惹かれて入手した本が大当たり、これはやはり読書人最大の喜びである。 本書、高橋健太郎「ヘッドフォン・ガール」がまさにそんな本で、私は著者を全く知らずに読んだ。 タイトルやあらすじから音楽に関わる内容で、コピーからタイムトラベルを扱うSFと知れたのだが、読み進めると、どうにもこそばゆいが引き込まれる。 カズは特に興味のない音響2016/09/17

おたきたお

2
主人公のカズが過去と未来を繋ぎ、並行して生きる他の人々を繋いでいく。繋ぐ「媒体」は20世紀のアナログ機器の数々。スライド映写機、マイクロフォン、テープレコダー、そしてピアノ。職人や製作者たちが「極めた」アナログ機器、それらには誕生に至る物語があり、時代背景があった。特にカズの祖父の遺品「グリュンベルクV07」リボンマイクの物語は、ナチスや満映まで遡り、著作の芯を貫く。著者のアナログ機器への思いが伝わる。長さもほどよく、読後爽やかなファンタジー。装丁も◎。2016/04/03

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