講談社現代新書<br> 22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」

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講談社現代新書
22世紀を見る君たちへ これからを生きるための「練習問題」

  • 著者名:平田オリザ【著】
  • 価格 ¥891(本体¥810)
  • 講談社(2020/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065190982

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内容説明

これから大切な能力って何?

いまの子どもたちの文章読解能力は
本当に「危機的」?

未来の大学入試とは? 英語教育は必要?

そもそも日本人の大多数が、
ネイティブと同じ発音をする必要がどこにあるの?

・・・

祖父母から孫へ、親から子へ――。

世代を超えて伝えたい、教育の「本質」を探る。

・・・

教育とは、わからない未来を予想して、
あるいは来るべき未来社会を予想して、
「子どもたちに生きるための能力を授ける」という、
いささか無謀な行為である。

それでも20世紀前半くらいまでは、その予想は、
ある程度可能だったかもしれない。

たとえば自分の息子が、自分のあとを継いで漁師になることが
確実にわかっていれば、その子には、船の動かし方、釣り具や網の整備の仕方、
天候の予測のための知識、万が一の時の泳ぎ方といったことを教えておけばよかった。

しかし、いま私たちが直面し知ているのは、おおよそ以下のような問題である。

■まず、その子が、どんな職業に就くかまったく予想できない。

■たとえ親が子どもを漁師にしたいと考えても、そもそも22世紀に漁師という仕事が
あるかどうかがわからない。

■さらに、たとえ漁師という仕事が生き残ったとしても、そこで必要とされる
能力について予想がつかない。

■それは、漁業ロボットを操作する能力かもしれない。漁から販売までを一元化し、
六次産業化していくコーディネート力かもしれない。あるいは、養殖の技術や
遺伝子組み換えについての研究こそが、漁師の本分となるかもしれない。

■私が暮らす兵庫県豊岡市の隣町、カニ漁で有名な香美町では、多くのインドネシア人が
漁業実習生として漁に携わっている。もしかすると、これからの漁師に必要な能力は
インドネシア語の習得や、イスラムの習慣への習熟かもしれない。

・・・

本書の中で、私は「教育」について考えていきたいと思う。

2020年の大学入試改革など、教育の大きな転換期を前に、私のこれまでの考えを、
ひとつにまとめて記しておくのも、本書の狙いの一つである。

・・・

巻末に高校・大学の授業や、新入社員研修などにも活用可能な、付録「22世紀ための問題集」つき!

目次

序 章 未来の漁師に必要な能力は何か?
第1章 未来の大学入試(1)
第2章 未来の大学入試(2)
第3章 大学入試改革が地域間格差を助長する
第4章 共通テストは何が問題だったのか?
第5章 子どもたちの文章読解能力は本当に「危機的」なのか?
第6章 非認知スキル
第7章 豊岡市の挑戦
終 章 本当にわからない
付 録 22世紀のための問題集

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

52
大人が読むべき本。次の世代を育む仕組み・考え方。教育改革というお題目で、いろいろ騒がしいここ数年。それも、お粗末なことでドタンバタン。基本思想の方向性がいいとしても、うわべだけなのでこうなってしまう。それ以前の基本おすべき視点が述べられている。何をではなく誰と学ぶか、身体的文化資本、会話と対話、非認知スキル。ここを勘違いしていたり、能力が欠如している輩が、政治・経済・官僚の中心にいるから、この国が危うくなっているし、そのスピードが速くなっている。2021/06/19

ムーミン

39
本当の表現力とは、本当の思考力とは。自分の頭で考える機会をもらいました。2020/03/31

ころこ

32
著者の考える試験は「地頭」を問うと自ら評しています。明示的でない審級で行うことで、かえってメンヘラを増やすだけではないかと懸念します。90年代から始まった脳化現象、その後の脳トレブーム、AIブームの大衆的表現に「地頭」はあります。脳を知りたい欲望は一時点の社会の傾向を示しているだけで、「地頭」という強度は心理学化のマッチョイズムなだけでしょう。入試が単なる学力だけでなく、「本質をみる」といって身体性までも事前の対策の立てられない、見えない権力関係で縛るとすれば、身体破壊衝動の若者の気持ちも想像できます。2020/03/18

壱萬弐仟縁

31
お茶の水女子大学、第二次選考。文系図書館入試(47頁)。素晴らしいと思います。初日にレポート作成。二日目にグループ討論と個別面接。論理力、課題探求力、独創性が評価される。他、自治体職員採用試験で、奈義町討論劇(103頁)もこれからのひとづくりには欠かせない視点と思えました。この町は合計特殊出生率2.81と驚異的です(109頁)。これからの人をどうにか選んで育てる術を試行している本になると思います。マークシート方式は昭和です。マスプロ授業は化石になりつつあるのかもしれません。2021/03/19

まさ

31
これまでも言われてきたことの確認にもなった。今後求められる力―主体性・多様性・協働性―をどのように身につけていくのか。演劇にあまりなじみがないこともあって、『わかりあえないことから』を読んだときにはピンとこなかった部分がわかってきたような気もする。おかげで付箋がたくさんつきました。「練習問題」も多数提示されていて興味深いが、実際の場面に入った経験があるとより深く理解できるのだろうな。2020/05/20

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