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内容説明
奥多摩に通って50年余り。大きく変わった奥多摩の表情と、今も変わらない山々の魅力に迫る。
『山と溪谷』誌に18年1月号からの連載「奥多摩 山、谷、峠、そして人」に加筆し書籍化。
川苔山、三頭山、雲取山など、ハイカーに人気の山々から、
飛龍山、将監峠、唐松尾山といった訪れる人の少ない多摩川源流域の山まで、
奥多摩を熟知した山岳ガイドの著者が山々の個性を綴る。
著者が山登りを始めた約半世紀前の奥多摩と、現代の山を行き来しながら、
奥多摩の魅力、変わったもの、変わらないものを見つめる。
前著『奥秩父 山、谷、峠そして人』(2011年)に続く、待望の一冊。
■掲載する主な山
笠取山/棒ノ折山/浅間尾根/川苔山・逆川/酉谷山(黒ドッケ)/大常木谷/三窪高原と倉掛山/
小河内峠/生藤山、三国峠/奥多摩の大雪/三頭山/雲取山/唐松尾山/奥多摩の森、花...何が起きたのか/
川苔山。最も変化に富んだ、手ごわい山/秋川上流の沢/奥多摩主脈の中核・御前山/奥多摩の入口・高水三山/
北秋川、日原、一ノ瀬高原...奥多摩の集落/奥多摩の林道、車道。できる前、できた後/鷹ノ巣山、六ツ石山/
鶴川上流と、秋川上流を分ける笹尾根
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぃ
20
奥多摩で登山をしていると時々生活の痕跡を見つけることがあって埋立地育ちの私はその度いたく感動してしまう。奥多摩歩いて50数年の著者が描く、人が暮らしていた時の奥多摩の山はとても魅力的。しかし昔ながらの登山者の人が書くこの手の本は危なっかしい記載も多くてヒヤヒヤしてしまうことが多いなぁ。今ほど道具も道も便利でなかった故もあるのだろうけど真似しちゃダメー!っと思います。山に行きたいなぁ2021/05/21
roatsu
20
ああ、こんな本が読みたかった!という素敵な山岳紀行文。いつまでも読んでいたい。首都圏の登山者には馴染の奥多摩山域について、少年時代からここに親しみ、こよなく愛する著者が自身の登山体験を交えて情感豊かに綴るエッセイ。山の今昔を通じて、奥多摩の山と里には20世紀から今日に至るまで急激に変容した日本人の暮らしの影響が如実に表れた山里であることも再認識できるだろう。自分が踏む道やピークが数十年前はどんな様子で、また数十年経ってどう変わるのか、なんて考えてみるのもよいのでは。巻頭の奥多摩全域概念図、持っていれば登山2020/03/17
run
6
地図を見ながら読むとより楽しい。行ったところは、「同じように感じたなぁ」「以前はそんなだったのかー」と、自分の山行を思い出してはまた行きたくなるし、行ったことがないところにはより行きたくなる。とても良い本です!2021/01/04
あきひと
5
およそ50年前、当時中学生だった著者が山歩き・沢歩きに目覚め、授業をサボってまで(おおらかな昭和時代)通い詰めた奥多摩の山々の魅力が詰まった一冊でした。紀行文になっているので、いつの時代でどの場所のトピックなのか分かり、頷いたり気づかされて感心したり、感心したほうが多かったように思います。奥多摩を歩き始めて5年の私にとっては、まだまだ楽しめる山塊であることがよーく分かりました。図書館本なので返却するのですが、改めて横に置いときたい一冊。2023/06/07
Yoshie S
2
ゆっくり読了。 ここのところ読んだいくつかの本もそうだったように、実際に歩いて書いているのでとても肉厚。 奥多摩などざっくりとした概念がどんどん広がっていくのを感じる。 廃道になってしまったり風景が変わってしまったところもあるよう。ここの山域でのしごとについても少し触れられていたり、レジャーだけでない部分も感じる本でした。 アプリと紙地図、ガイドで決められたルートでお山に入らせてもらっているが、沢あり雪あり、道なき道を計画して入っていく力強い話が盛りだくさんでした。2023/01/20