文春文庫<br> あのころ、早稲田で

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文春文庫
あのころ、早稲田で

  • 著者名:中野翠【著】
  • 価格 ¥790(本体¥719)
  • 文藝春秋(2020/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167914653

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内容説明

60年代というトンネルの入り口は小春日和、出口は嵐だった──
早大闘争、社研、吉本隆明、『青春の墓標』、「ガロ」、GS、喫茶店、ATG、ゴダール、アングラ演劇―あの時代の空気が鮮やかによみがえる。

よりにもよって、私の人生の中で最も思い出したくない日々だった──。〈エピローグより〉
「ワセジョ」もお洒落で可愛い女子が増えたといわれるが、中野翠さんは1946年生まれのまさに戦後ベビーブーマー第一世代(団塊世代)。
1965年に早稲田大学第一政経学部経済学科に入学するが、クラスに女子はたった2人。
高校時代からマルクスを読みかじり、立派な左翼になるべく「社研」こと社会問題研究会へ入り、
大学に入学したら「真摯に苦悩する学生生活」を送るはずだったのに、入学翌年に勃発した早大闘争にも今一つのめり込めないハンパな日々。

とはいえ、1965年前後の早稲田のキャンパスは多士済々。
キャンパスのベンチに座っていたら、いきなりオルグしてきた「粋な顔立ち」の革マル派トップは、のちの宝島社社長・蓮見清一。
面識はないけれど、タモリも吉永小百合も、『突破者』の宮崎学も久米宏、田中真紀子、二学年下の村上春樹も同時期に早稲田にいた。
同じ部室の文研(文学研究会)には、のちに直木賞作家となる高橋義夫や、呉智英こと新崎智も在籍し、すでに歴史的かなづかいで奇妙な小説を書いていたのだ。
真摯な左翼を目指しながらも「運動」にはのめり込めず、60年代に花開いたサブカルチャー(「ガロ」、早稲田小劇場、ATG)、
ポップカルチャー(グループサウンズ花ざかり)を享受した、懐かしくも恥多き青春を振り返る書下し作品。

文庫化記念、呉智英氏との爆笑対談収録。

※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kokada_jnet

35
単行本で読んでいたのだが、巻末に呉智英との解説対談が追加されていたので、つい、また買ってしまった。呉智英先生の周りには中野翠ファンが多くて、「紹介してくれとよく言われる」というエピソードがツボ。また、やはり呉智英が語るところの、早稲田の男子学生どおしの「知的マウンティング合戦」が楽しい。2020/03/29

Atsushi

22
入学式の日は雨だった。グレーのジャケットを着て出席し校歌を初めて歌った。そば屋の2階の新歓コンパも今では懐かしい。名コラムニスト中野翠さんの青春記。入学早々学生運動に首を突っ込むあたりは“ワセジョ”の面目躍如といったところか。時は流れても若者の息吹はいつも熱いと思った。2024/08/09

まぶぜたろう

8
中野翠は映画批評(つうかエッセイ)でしか読んだことがないが、ひたすら蔑視の対象でしかなく、本書もあまりの凡庸さに呆れた。■ひたすらどうでもよい作者の当時の日常や、浅薄な文化考察は、そこらへんのブロガーが書いたような貧しいネタ、作文まがいのネタでしかなく、これでよく一冊書けたなと思う。この厚顔無恥が中野翠である。■しかし、それがいいのかどうか、あまり気取らない文章がのんびりすんなり軽く楽しめ、ラストで早稲田を久々に訪れた作者の素直な感慨は、ノスタルジックで不覚にもちょっと感動してしまった。俺はダメだ。2020/05/02

AU

6
60年代・早稲田・学生運動のいずれかに興味があるか、中野翠のファンでなければ没頭はできないかもしれない。そのくらい私的な記録なんだけど、それがかえってミクロな視点から学生運動や当時のムードを窺い知ることができておもしろい。左翼でありながら運動に没頭できない自分自身のジレンマ。学生運動をテーマにした本であれば決して登場しないだろうが、でも当時「そういう人」もいたのだと知った。「派手に学生運動が行われているキャンパスと平和な日常が続く実家とを8の字のように毎日行き来していた」というのがリアルだった。2020/12/16

mawaji

5
著名コラムニストの「まだ何者にもなっていない」学生時代の回想録、著者は私の一回りちょっと上の世代ですが、社会人になってまもなく早稲田界隈に住み始めたこともあって、高田馬場から早稲田にかけての町並みを思い出しつつノスタルジーに浸りながら読みました。あさま山荘事件は実家のテレビで見ていた覚えがあるくらいで、全共闘時代の若者たちの反乱の匂いまでは感じ取れないほどのノンポリで過ごしてきていますが、本書を読んで当時の学生のリアルな雰囲気を垣間見ることができました。今の学生さんも若さの特権を振り回してほしいものです。2023/04/08

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