文春文庫<br> 夜の谷を行く

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文春文庫
夜の谷を行く

  • 著者名:桐野夏生【著】
  • 価格 ¥730(本体¥664)
  • 文藝春秋(2020/03発売)
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  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167914523

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内容説明

女たちが夢見た「革命」とは?
連合赤軍事件をめぐるもう一つの真実に光をあてた傑作長篇。

山岳ベースで行われた連合赤軍の「総括」と称する凄惨なリンチにより、十二人の仲間が次々に死んだ。
アジトから逃げ出し、警察に逮捕されたメンバーの西田啓子は五年間の服役を終え、人目を忍んで慎ましく暮らしていた。
しかし、ある日突然、元同志の熊谷から連絡が入り、決別したはずの過去に直面させられる。

解説・大谷恭子


※この電子書籍は2017年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

rico

103
タイトルには二つの意味があるような気がする。仲間の死体を山岳アジトから運ぶために歩いた夜の谷。そして、歳月を重ねてなお、日の当たる場所を避け、暗い谷のような所で息をひそめて生きていくこと。理想に燃えた若者たちが行き着いた果てがなぜ凄惨なリンチだったのか。当事者以外わからないのかもしれない。それでも、旧来の女性観を持つ男たちに対峙しつつ、女たちは別の理想郷を目指していたというのはありそうな話。結末は少し唐突な感じがして桐野さんらしくない感じ。彼らと世代の近い桐野さん、ひょっとしたら迷いがあったのだろうか。2023/02/05

ぶ~よん

84
嘗て連合赤軍のメンバーであり、山岳ベース事件の当事者だった西田啓子は、服役後ひっそりと生きていた。過去の事実を知らない姪の結婚式に誘われたり、過去のメンバーから連絡があったりするうちに、過去の凄惨な記憶が蘇っていく。そして突如現れる、メンバーに連絡を取ってくれる謎の親切なライター。生活に困窮する障害者となった元夫との再会という伏線が、見事に回収される。大事件を起こしてしまった関係者の悲惨な末路は想像に難くないが、米国で逮捕される可能性を議論した際にただのオバチャンの喧嘩になったのは、不覚にも笑った。2025/09/07

カブ

62
連合赤軍の元メンバー西田啓子は63歳。リンチによって12人の仲間を死に追いやり服役し、誰にも知られず人目を忍んで暮らしている。過去と決別したはずが、ルポライターの古市との接触で心にしまっていた秘密から解放される。極限状態でも女性は女性であること、それでもやってはいけないことがある。2020/09/11

Shoji

58
物語のプロットは、1971年から1972年にかけて連合赤軍が起こした「山岳ベース事件」です。総括と言う名のリンチ殺人事件から40年以上が経過し、所定の刑期を終えて社会復帰した人々が背負っている苦悩に焦点を当てています。全編を通して、ずしりと感じる重圧感が凄いです。ラストに少し明るさが残されていたのがせめてもの救いだと思いたいです。一気読みしました。2020/03/25

しげき

57
連合赤軍に所属していたとある女性の服役後の人生が描かれた作品。女性の家族、特に親が気の毒だった。実在するモデルに入念な取材を行ったのか、とてもリアリティーのあるフィクション小説だった。2023/07/17

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