内容説明
2002年5月の十三代目市川團十郎襲名を控えて、江戸時代前期にさかのぼる市川團十郎家の歴史を、豊富な絵画資料と歌舞伎研究の第一人者の解説で読む。
歌舞伎を観ることは、役者を観ることである。そして、江戸歌舞伎の中で常に特別な位置を占め、最も大きく重い名前とランク付けされてきたのが、「市川團十郎」の名跡だった。並み居る役者の中から、まず卓越した天性と技量を持って抜け出した初代。親譲りの荒事を様式的に練り上げた二代目。「歌舞伎十八番」を公表して團十郎の名と権威を改めて確立した七代目。近代化の苦悩の中で歌舞伎界のリーダーとして縦横の活躍を見せた九代目。生来の美貌で戦後の歌舞伎を立て直した「海老さま」十一代目・・・。それぞれの時代を生きた個性豊かな十二人の團十郎を豊富な役者絵や舞台写真をまじえて活写する。「歌舞伎十八番」演目解説、團十郎デザインのいろいろ、市川團十郎家系図、関係年表も完備。巻末解説を、元国立劇場理事で十二代目と長く親交のあった織田紘二氏が執筆。〔原本:『市川團十郎代々』講談社刊、2002年〕
目次
江戸ッ子の團十郎贔屓と襲名
團十郎前史
初代
二代目
三代目
成田不動尊と代々の市川團十郎
四代目
五代目
六代目
七代目
歌舞伎十八番
「歌舞伎十八番」演目解説
八代目
團十郎デザインのいろいろ
九代目
十代目
十一代目
十二代目
七代目市川新之助
市川團十郎家系図
市川團十郎年表
あとがき
市川團十郎関係主要文献目録
解説 團十郎代々の「聖性」に肉薄・・・ 織田紘二
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
絶間之助
1
現海老蔵は十三代目市川團十郎白猿を襲名することになり、読むことにしました。初代が荒事を創始、二代目が家の芸を確立し、七代目は歌舞伎十八番を集大成し、九代目が歌舞伎の社会的地位を確立。十一代目が戦後歌舞伎の人気者になり、常に歌舞伎界の中心にいたように見えますが、惜しまれつつ早く亡くなったように悲劇もあった。必ず嫡子が継ぐわけでもなく、養子を取りながら成田屋を繋ぎ、時代に合わせて芸を発展させてきたこともよく分かりました。さて十三代目、伝統をしっかり引き継ぎつつ、新しい魅力的な歌舞伎を見せて欲しいものです。2022/06/13
bittersweet symphony
1
九代目のあとの実質的なブランクが、歌舞伎の正常な現代化(ワンピースやナウシカのような歪んだ関係性とは別のそれ)を阻んだ大きな要因という印象がありますね。2020/04/02
Bücherwurm
0
「黙阿弥の明治維新」が面白いのでじっくり読むべく、寄り道して当時の人間関係の復習を兼ねて読む。十二代目と現海老蔵についても附記されているのだが、昨今の海老蔵をみるに、代々の団十郎が受け継いできた芸の精神とは何か考えてしまう。傾くってそういうことなのか??2021/06/04
梟
0
十二代目の著作で似たような内容のものがあったが、本書の方がかなり詳しい。図解や注が豊富で読みやすい。ただし、「暫」「助六」「寺子屋」も知らない状態では読むべきではない。この本を読むと、初代團十郎以降の江戸歌舞伎の変遷、成り立ちなどがよくわかる。すごいのは資料の少ない三代目・六代目に関しても触れていること。他にも、中村仲蔵伝説の意外な話や各時代の著名人との関わりなど、目からうろこの情報が多かった。ただし、2002年に刊行されたものなので、時代感覚が止まっている。現海老蔵の今後を期待する上で読んで損のない一冊2020/09/17
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