新潮文庫<br> ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

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新潮文庫
ワン・モア・ヌーク(新潮文庫)

  • 著者名:藤井太洋【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 新潮社(2020/02発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101017815

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内容説明

「核の穴は、あなた方をもう一度、特別な存在にしてくれる」。原爆テロを予告する一本の動画が日本を大混乱に陥れた。爆発は3月11日午前零時。福島第一原発事故への繋がりを示唆するメッセージの、その真意を政府は見抜けない。だが科学者と刑事の執念は、互いを欺きながら“正義の瞬間”に向けて疾走するテロリスト二人の歪んだ理想を捉えていた――。戒厳令の東京、110時間のサスペンス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

173
ノー・モアじゃなくて「ワン・モア・ヌーク(核をもう一度)」…その常軌を逸したスローガンの真意が何とも哀しく心に染みる…それは唯一の被爆国であり、いまだ福島原発事故を引きずる日本を舞台に描かれるからこそ…そこに核兵器の脅威やテロを絡めて、爆発予告までの110時間を緊迫感たっぷりに読ませるのは圧巻!状況こそ違えど緊急事態宣言発令重なる事態も生々しかった…“安全”という言葉の刃で殺されるという事実の重さ…「今度こそ、核と向き合うための説明」 を叶えるために、その真摯な願いが狂乱にまで導かれる現況は寂しいばかり…2021/03/12

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

104
One more Nuke(核をもう一度)。東京にテロリストが仕掛けた核爆弾。爆破予告時間である3月11日午前零時に向かって刻々と時は進む。被爆国となったのは日本だけではない。大国の核実験により生命を奪われた数十万人とも言われる少数民族の人々。テロリストが核爆弾を保有するなんて技術的にあり得ないと思いながらも、3Dプリンターでμm単位の精密な加工ができ、原子時計でさえ入手可能な世の中。技術革新が新たな恐怖を生む世界になってきたことを痛感させる物語。ハラハラ、ドキドキの一冊、五つ星です!★★★★★2020/04/27

harass

96
五輪間近で外国人労働者が増加した2020年東京、3.11に都内で原爆テロを起こすとの予告ビデオが公開される。テログループ内のそれぞれの思惑と、彼らを追う公安外事と国際原子力機関と駆け引きを描くSFサスペンス。読みやすいのもあり、どういう展開をさせるのかが気になり一気読みする。著者の福島原発事故への思いがよく分かり、ウケ狙いの安易な主題ではないのがわかった。甘く感じる部分もあるがそこはエンタメ。十分に楽しめ考えさせられた。映像化もされるかもしれないが、テーマがテーマなので無理かと。おすすめ。2020/03/19

ずっきん

91
『もう一度、核と恐怖を』 3.11から技能実習生制度に至るまで、あらゆる日本の「今」が、中東、ウイグル、大国の「今」が、2020東京オリンピックの象徴である新国立競技場へと疾走する。プルトニウム濃度20%の核燃料で原子爆弾を作る。これがいったいどれほどの意味を持つのか。リアリティの切っ先を突きつけてくる、戦慄の社会派エンターテインメントである。キャラと運びにもっと深い溜めが欲しいとは感じるものの、リーダビリティは抜群。600Pでも読み足りないほど。ギリッギリの年の瀬に年ベス級キタ!ドン!!!2020/12/29

H!deking

89
おー、いいですね〜!めちゃくちゃ面白かった!読友さんのおすすめで読んでみました。あらすじだけ見ると荒唐無稽な感じするけど、ロジックがリアルでドキドキしました。小説に出来るってことは、技術的にどうかはさておき理論上可能ってことだよね。それもそうだし、デマのくだりとか、色々考えさせられる話ではありました。面白かった!2023/05/10

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