内容説明
ほんとうのかなしみは、きらきらきれい……。世界でいちばんすてきなのは、大好きな人とおどることだよ。おどろうよ、かなしいときも、世界は愛と魔法にあふれているんだ。愛することも死ぬことも、あこがれも孤独も、どこまでもつづいている夢なのだから――と、抱きしめてくれた白くまの正体は……。昇華されたかなしみと夢が、きらきら光る物語。それは一生にたったひとつのあなた自身のメルヘンかも……。エキゾチックな香りにつつまれた表題作など、ビター・スウィートの大人のメルヘン13編。人を愛する心に響くほろ苦く素敵な物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
26
大学生になるまで童話なんて見向きもしなかった。小さい頃に読んだきりで。でも、古書店でたまたま手に取った立原さんの本に出会って、私は再び童話の世界の住人になったのでした。童話の町は詩歌の村のとなりにあります。私たちはいつでも好きなだけ行き来できるのです。2015/09/26
まー
3
読み終わるのがもったいないくらい、とても素敵な本だった。幸せな気持ちになるもの、心がほっこりするもの、切なくて言葉が出ないものなどいろいろだけど、どの作品もまとっている雰囲気が心地いい。「どこまでもどこまでも夢」が特に印象的。★★★★★2015/10/11
雨杜
1
大人のための童話集。どの作品もファンタジックで楽しめた。 「月の砂漠」が好み。 寝る前に読むのをおすすめしたい。2019/10/15
よはて
1
絶版なので古本屋で探すしかなく…新装版で出してくれないものか。初っぱなから薄暗い話で驚きました。『メルヘン=少女と幸福』のイメージが覆された。中年女性率が高く、物語も「待つ」「クモ」等は世にも奇妙で怖い話でした。メルヘンの持つ毒と女の毒が噛み合ってて凄い。けど心ホロッとする柔らかい話(表題作と子守唄は秀逸)もあるのでバランスの取れた短編集で楽しめました。2011/11/27
agri
1
悲しい現実と慰め、希望あふれるメルヘン作品集2009/07/11