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内容説明
公立、雪国、選手は地元出身――何から何まで「ありえないチーム」が甲子園で準優勝。
エース吉田輝星を擁し2018年の夏を沸かせた秋田・金足農業高校の軌跡に迫る。
夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)で準優勝し「金農フィーバー」を巻き起こした金足農業。
県大会から決勝まで11試合を戦い抜いた3年生9人は、秋田県内のごく狭い地域から集まったメンバーばかり。
決勝で対戦した大阪桐蔭が「選手、練習環境、練習時間」に恵まれていたのに対し、
何一つ持っていなかった雑草集団がなぜここまで勝ち進み、日本中を熱狂させたのか。
吉田ら選手自身や関係者への丹念な取材を通じて、
きかねぇ(気性の荒い)ナインの素顔を生き生きと描き出す傑作ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たいぱぱ
61
まさか読後、涙ぐむとは・・・。親目線なのか、コーチ・監督目線なのか、まさかの選手目線なのか。記憶にも新しい2018年夏の甲子園。旋風を巻き起こした金足農業のドキュメンタリーは、甲子園での戦いの合間に、吉田輝星らが入学した時からのエピソードが挿入される。昭和のスポ根モノみたいな練習に驚き、監督に歯向かい、エラーした選手を怒鳴り付けるワガママ吉田輝星に「騙されてた」と悟る(笑)。伝説のコーチ伊藤、なんだか頼りない監督、そして悪ガキ選手達の成長が産み出した奇跡。女子マネの本音に笑いながらも、ラストは涙しかない。2020/05/08
けんとまん1007
57
まるで昨日のことのように、いろいろ思い出した。それも、副音声でその背景や、そこに至る物語を放送されているように感じることができる。試合だけではわかることのないことが、生き生きと描かれている。ただ、偶然とか勢いだけでは、あそこまでは到達できないと思う。やはり、それなりの理由・努力・物語などがあったからこそなんだと。帯に書かれていることがすべてかも。野球だけは本気だった。それプラス、クレバーさと思いがあったのだ。こんなテームは、最初で最後なんだろうなあ。2020/12/08
ドリル
44
コロナウイルスの影響で夏の甲子園の中止が決まった。大好きで毎年現地観戦していたのでショックが大きい。仕方がなく過去の名勝負のYouTubeを見たいしている。記念すべき100回大会の主人公は間違いなく金足農業だった。勝ち上がって大会を盛り上げただけでなく、ドラマやマンガのようなキャラクターと試合展開だった。最後はラスボス大阪桐蔭に敗れてしまったが…その試合は現地観戦した。読んでいて約2年前の記憶が蘇って来た。心が熱くなることが出来たし、面白かった。また、甲子園に戻って来て旋風を起こしてもらいたい。(★★★)2020/06/05
ユー
29
決勝までに戦った相手が、春夏の甲子園で優勝と準優勝を経験した所謂名門の学校ばかり。怯む事無く怖気づく事無く決勝まで勝ち進んだ彼らは、もう「英雄」です。日本全国を味方に取り込んだ様な大フィーバーぶり、凄かった。近江戦の2ランスクイズは全く予想しない展開で、近江の監督さんと左ピッチャーの子が最後に放ったセリフが忘れられません。2023/08/08
tetsubun1000mg
27
作者の中村さんの本は何冊か読んだが、とにかく選手・監督・コーチ・部長・校長・OB・他行のライバル達と幅広く取材している。 時間をかけて人間関係を作っているのだろう。 選手たちのふざけたやり取り、「ドンマイ」はありえない「バカヤロー」「何やってんだ」と罵声を浴びせる普段の様子も伝わってくる。 きっと取材相手の話をじっくりとよく聞いたうえで、中村さん自身を信頼して本音を引き出していると思う。 女子マネが言う「自信しかない」地方の野球バカの集まった高校野球チームでの、2018年の奇跡の過程を見ることができる。 2020/08/29




