内容説明
連鎖する事件に蘇る絆
30年の歳月は誰を変えたのか――
東京・北千住で珈琲店〈弓島珈琲〉を営むダイは53歳になる。中庭の桜が舞うある日、学生時代のバンド仲間・ヒトシの息子が家出したとの連絡が入る。同時にストーカー騒ぎも発生、学生時代をともにした仲間たちが〈弓島珈琲〉にふたたび集結。「あの頃」に封印した事件の真相も浮かび上がり……。青春のほろ苦さが心に響く珈琲店ミステリー!
『モーニング Mourning』『コーヒーブルース Coffee blues』『ビタースイートワルツ Bittersweet Waltz』に続く、〈ダイ〉シリーズ第4弾。
解説/藤田香織
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のんき
83
東京の北千住で喫茶店をやっているダイ、53歳。学生時代のバンド仲間のヒトシの息子が家出します。他にも事件があり、学生時代の仲間たちが集まり、解決しようとします。学生時代をともにした仲間たちも、それぞれ結婚したり、子どもがいたり、さまざまです。それでも、何かあったら、みんな集まって、協力していくっていいなぁって思いました。まあ、それがほんとの仲間のでしょう。一人で悩んだりするより、仲間たちに話したりするだけでも、気が楽になるのでしょう。みんなで話したりした方が解決も早いと思いました。2020/03/29
nemuro
50
北千住で<弓島珈琲>を営む弓島大を主人公に据えた通称<ダイ>シリーズの4作目。今回は、2014年、50歳を越えているダイとその仲間たち、そして<弓島珈琲>に持ち込まれた事件。第1作『モーニング』(2006年、45歳のダイ)、第2作『コーヒーブルース』(1991年、30歳のダイ)、第3作『ビタースイートワルツ』(2000年、40歳目前のダイ)。時代を前後しながら綴られてきたシリーズも一応の一区切り。30年前の意外な真相が明らかにされたり。ダイたちも著者も同じく1961年生まれ。等身大な青春のほろ苦さを堪能。2020/11/08
rosetta
33
久しぶりの小路作品。シリーズ四作目らしい。『東京バンドワゴン』を初めとして何時もはほんのりした話だけどこれはちょっとビター系。喫茶店だけにな!北千住で喫茶店を営むダイには学生時代に実家でシェアハウスしていた五人の一生の仲間がいた。水戸に住むそのうちの一人の息子が家出した。心配して行方を探すダイ達と店の常連の警視庁刑事。事態は30年前のダイ達の復讐劇にまで遡り…五十を過ぎて背負うものが大きくなって枯れかけて、それでも友情は家族と同じくらい大事。辛い真相も優しく切なく覆ってくれる小路ワールド。過去作もぜひ読む2022/10/31
ピース
31
学生時代の友達と50歳を越えても会えるのは素晴らしい。これは正に金では買えない財産だ。今回は友達の1人であるヒトシの息子の智一を救う。ただ捲き込まれた問題が問題だけに真相はダイと三栖の中だけにしまい込まれてしまう。それでもみんな真相には気付いて知らん顔をするんだろう。これも又この仲間ならではのいい関係性だと感じた。2020/04/10
kei@名古屋
26
シリーズ四作目になるのかな?主人公たちは変わらない。だけど変わらないから起きる過去もありそして今回は現在の物語。小路さんはやっぱり大家族の物語書いてるけど、根底に家族の冷たさも感じてる気がするんだよね、なんとなく2020/02/19
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