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内容説明
戦場での英雄的活躍に憧れ、北軍に志願したヘンリー。進軍の停滞でじらされた末に戦いが始まり、興奮のうちに射撃し続けた彼だったが、執念深く襲いかかる敵軍の包囲に遭うや、高揚はたやすく恐慌へと変わるのであった。南北戦争を舞台に色彩豊かに描かれるアメリカ戦争文学の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
107
南北戦争の激戦を兵士の視線から見た戦闘記。南軍の名将リー将軍の6万名の精鋭に完敗したジョセフ・フッカー将軍麾下の北軍13万名の敗戦記録でもある。だが、小説はほとんど小隊レベルの戦闘の場面に終始して勝ったのか・負けたのかさえも分からない状態で推移する。「自然主義的戦争小説」と称される所以である。戦闘の状況はかなり細かく描写されるが、大砲、爆弾などの重火器が少ないためか、他の戦争記録に比して読んでいて心が暗くならない。掌編だが心にズシリと来る戦記物であった。G565/1000。2024/07/17
秋良
17
【G1000】戦争へ華々しいイメージを抱いて入隊するヘンリー。彼の視点から南北戦争を描く。歴史小説と違い、一兵卒の視点からのみ描かれるので戦況は定かでなく、兵士の高揚感や連帯意識、パニック、逃亡への後ろめたさ……と一人の人間が理想と現実のギャップにつまずき、やがて受容していく様子がリアルに描かれる。輝かしいヒロイズムの裏に透けて見える欺瞞や、それでもヒロイズムが無ければ戦えない(であろう)脆さまで、短いながら戦争の本質の一つを捉えた印象深い作品。2023/09/08
ハルト
11
読了:◎ アメリカ南北戦争の激戦地を舞台に書かれた作品。戦争に赴いた青年の、戦争における心理を生々しく表現されている。環境によってどう人間が変わるのかが緻密な筆で描かれており、戦争の無情さ愚かさが身に迫ってくるように感じられる。戦争文学の傑作と云われるのもわかる作品でした。2019/11/29
fseigojp
10
戦争小説の始まりだそうだ ヘミングウエイ推奨2024/10/10
qwer0987
10
戦争を理解するには戦場を俯瞰で見る必要がある。だが現場にいる兵士たちにそんなことはできず、どうしても地べたの視点となってしまう。本書の主人公は戦場にいながら自分の置かれている状況が理解できてない。部隊が移動してもどこに何の目的で行くかわからず、戦闘を行なっても勝ってるか負けているかわからない。実に生々しい描写だ。そのようにヒロイズムもメロドラマもなく戦争の現実が積み重ねられる。兵士たちは歯車の一つで使い捨てられるし、兵士は兵士で恐怖やパニックや高揚感に襲われる。それらの描写がすばらしく心に刺さる作品だった2022/07/07
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