サイラス・マーナー

個数:1
紙書籍版価格
¥1,166
  • 電子書籍
  • Reader

サイラス・マーナー

  • ISBN:9784334754105

ファイル: /

内容説明

友と恋人に裏切られ、神にも絶望して故郷を捨てたサイラス・マーナーは、たどりついた村のはずれで、機を織って得た金貨を眺めるのを唯一の愉しみとする暮らしをしていた。そんな彼にふたたび襲いかかる災難……。精細な心理描写とドラ マチックな展開が魅力のエリオットの代表作の一つ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

こーた

250
あまりに良い話で、ニコニコ笑いながらおいおい泣いた。ガーディアン1000冊のジャンルはstate of the nationだが、crimeありcomedyあり、family&selfであり、またloveにもあふれている。家族とはなにか、結婚とはなにか、そして信仰とはなにか。田舎の村にはコミュニティがあり、貧者がいて富者がいる。遠くには都市があって、その都市からやってきた孤独な男は、物語に襲われ、また救われる。すべての登場人物が生き生きとして愛おしい。読むことの幸福。小説のひとつの理想形ではないだろうか。2021/03/16

ペグ

90
初読でありながら何故か懐かしいこの書名〜小さな子どもの頃、本棚から取り出して最初に(小説)という物を読んだのがこの「サイラス・マーナー」でした。何故手に取ったのかも思い出せずましてや内容も覚えていない。今回読んで。あぁ読んで良かった〜サイラスの不幸と幸せの人生。失意の15年の後に託された小さな命。淡白な表現で描かれた人々の暮らしぶりもほっこり。優しい手応えの作品でした。ちょっと疲れた時に読む。寒い心に暖まる作品でした。2019/10/21

やいっち

81
94年に「ロモラ」を読んで以来のエリオットファン。物語としてさすがにドラマチック。同時に、古典らしいある意味、出来過ぎかなと思わせる展開でもある。ブロンテ姉妹など近代の小説を読みなれた我々には突っ込みところ満載だろう。女の子を預かって育てて危ないことはなかったのか……。それでも、随所に鋭い描写があって、退屈させずに読ませてくれる。次はいよいよ、「ミドルマーチ」に挑戦したい。2020/03/27

アキ

72
1861年イギリスで出版。著者ジョージ・エリオットは出版時に男性名であった。赤屋敷での宴会とモリーの行く雪の道、サイラス・マーナ―の秘かな喜び金貨と黄金のかたまりのような子どもの金髪、エピーの目の前に現れた実の父親ゴッドフリーと育ての親マーナ―。鮮やかな対比と類似を際立たせ、金貨を盗んだダンスタンを最後に登場させ、一気に展開するプロットに美しい庭を象徴とする幸せな家族を示すラストシーンまで一流のエンタメ小説。夏目漱石が英国から帰り東大のテキストに使ったというエピソードもある。女性たちの人生模様も興味深い。2020/02/16

はる

66
友と恋人に裏切られ、絶望して故郷を捨てたサイラス・マーナー。たどり着いた村のはずれで、機を織って一人孤独に暮らしていた。だがある日、偶然に幼い子を授かることから彼の人生は変わっていく……。新訳のせいか読み辛さは感じない。他の方の感想にもあるが、この物語は中盤過ぎから俄然面白くなる。溢れるヒューマニズム。血の繋がらない父と娘の、お互いを思いやる言葉のやり取りに胸が熱くなる。クライマックスは感動的。いい物語だった。2021/11/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14427782
  • ご注意事項

最近チェックした商品