内容説明
中山望は、四季折々の花が咲く庭のある家で、母と姉と妹と暮らす。ある日、上の姉が娘を連れて帰ってきて、女5人との生活が始まった。家族や幼なじみと過ごす時間は、“何も望まない”望を変えていく――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
85
下北沢にアパートと土地持ってる家の一人息子の望。フリーターしながらのらりくらり生きている。下北沢という街の空気感を感じられました。幼なじみあまねの『なんでもあるけど、何もないじゃない』この言葉がこの物語を象徴してる気がする。林太郎がんばれ!あとがきが希望があって一番好き。2020/09/23
アッシュ姉
80
なにげない日常を何とも読ませる畑野さん七冊目。下北沢に暮らすとある一家。土地持ちで定職に就かずとも生きていけるフリーターの長男に鼻白んだり、とんでもな理由で別居する長女に唖然としながらも読む手が止まらない。うまく行き過ぎない現実と登場人物にリアリティがあり、見ていて飽きないのだ。欠点にもフォーカスが当たっているので、腹が立ったりもどかしく感じたりもするが、最後は応援したくなる。面倒くさい家族だなと思う反面、実に羨ましい家族だった。彼らのその後がちらりと分かるあとがきが嬉しい。2020/08/04
kei302
64
畑野さんの作品ではこれが一番好き。文庫化で単行本のその後が付け加えられたと知って読んだ。自分は家族の拠り所になると、口には出さないが無意識に態度に出ている望の一見クールで頼りない姿が読んでいて心地よい。四季折々の花々が咲き乱れる庭があって、それを当り前のように思って生活してきた中山家の長男:望。幼なじみのあまねは「ここにはなんでもあるけど、何もない」と言う。望、あまねちゃんの大切さを認めるのが遅すぎだよ。続編出てほしいな・・と思うような文庫本の終わり方。期待してしまう。 2020/10/04
dr2006
57
演劇や音楽や古着で有名な下北沢だが、それはエリア名でその住所は存在しないと知り驚いた。一方、作品に登場する711,B1、スズナリといった小劇場やスーパーオオゼキは実在する。四季折々の花が咲く庭のある大きな家がある。そこに母、姉、妹、主人公望の4人が暮らしている。24歳になる望は一度も下北沢から出たことはなく、仕事も漫画喫茶でバイトの日々だ。家族との心地よい日常に甘んじる望に、幼馴染のあまねが「ここにはなんでもあるけど、何もないじゃない」と云う。人物造形が素晴らしい。まるで一本の映画を観ている様だった🎬2024/07/20
ぶんこ
57
東京に家と親の商売(アパート経営?)のある長男、しかも他には男の子がいなくて、女の子ばかりの家の典型のような一家の物語。周囲の女性たちに押され気味の望君が優しくて微笑ましい。この一家の、おばあちゃんの代からのいい意味での世話焼きな大家気質からの人付き合いと、下北沢という土地柄もあるのでしょうが、山の手の下町感覚があって面白い。長姉の、望君や文乃さんの顔をひっぱたく横暴さや、意味不明の実家戻りには共感できないままでした。2021/08/18
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